暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜実験編〜
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判れば、自動的に復讐者が判る気がするな………ただ、これが全部、犯人の演出に過ぎない可能性もある。先入観は持たないようにしないとな」
「そうね。特にヨルコさんに話を聞くときはね」
キリトはアスナと同時に頷き合い、ちらっと視線を動かして時刻表示を確認した。
午前十時になったら、すぐ近くの宿屋に滞在中の、カインズ氏の友人兼目撃者のヨルコというプレイヤーに、話を聞きに行くことになっている。
黒パンと野菜スープの質素な朝食をモソモソ食べ終えて、かなり時間が余った様子のキリトは一瞬レンを見て、胸焼けしたような顔をし、次にあろうことか向かいに座るKoB副団長殿の姿をぽけーっと眺め始めた。
今日は私用だからということなのか、いつもの白地に赤の模様のある騎士服ではない。
ピンクとグレーの細いストライプ柄のシャツに黒レザーのベストを重ね、ミニスカートもレースのフリルがついた黒、脚には光沢のあるグレーのタイツ。
おまけに靴はピンクのエナメル、頭にも同色のベレーとくれば、何だかやたらとキメてきている──ような気がするが、これが女性プレイヤーの平均的普段着であるのか
もしれないし、それが判断できるほどのファッションアイテムの知識は持ち合わせていない。
そんなとき、だいたい同じようなことを考えていたらしいキリトが問いかけるような視線をよこしてきた。
──なんで、僕に振るんだ。
そう思いながらレンは、頬に元が何なのか分からない、魚の切れ身のようなものを引っ付けながら首を振る。
キリトは、何故か憐れむような顔をし、またアスナに視線を戻す。
と、不意にアスナがちらっと視線を上げ、ぷいと横を向いた。
「…………何見てるの」
「えっ……あ、いや…………」
途端にうろたえ出すキリト。
「えーと………そのどろっとした奴、旨い?」
するとアスナは、スプーンでかき混ぜていた謎のポタージュっぽいものを見下ろし、もう一度キリトを見て何とも微妙な表情を作ったあと、はぁーっと深く長いため息をついた。
「………おいしくない」
ボソッと答えて皿ごと脇に押しやるアスナ。
軽い咳払いを挟み、細剣使いは口調を改めた。
「わたし、昨夜ちょっと考えたんだけどね。あの黒い槍が発生させた《貫通継続ダメージ》だけど………」
頷くキリト。
「うん?」
「例えば、圏外で貫通属性武器を刺されるじゃない? そのまま圏内に移動したら、継続ダメージってどうなるのか、きみ知ってる?」
「えー………っと」
思わず首を捻るキリト。
確かに、そんなシチュエーションにこれまで遭遇したことはないし、考えたことすらない。
「いや、知らないな………。でも、毒や火傷の継続ダメージは圏内に入
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