小粒のオパール
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口を接触させた。これで鉈の直撃は避けられる。そこから反撃の一撃を浴びせる。
「てええい!」
ゼロ距離射撃。グムルの右肩部から先は、粉々になって吹き飛んだ。その衝撃は、相当な物で、吹き飛んだ右肩部分からオイルが血のように吹き出ていた。機体も漏れ出たオイルの影響か油圧不全をおこし、しゃがんだまま動かなくなった。
「ったく・・・、誘爆しなかっただけありがたく思うんだな。」
背中の信号弾発射筒を操作し、降伏勧告を意味する信号弾を装填し、発射した。
黒鴉団視点
「っちくしょう!」
油圧計を見る。油圧が急激に低下し、機体の姿勢制御すらままならない形になっている。
「ハイドロプレッシャーアラート・・・!くそったれ!」
コクピットにある油圧弁という油圧弁を締め、油圧低下を防ぐ。すると、油圧の低下が一時的に収まる、その瞬間信号弾の光が目に入った。
「白、白、赤・・・。降伏勧告・・・!?な・・・、めやがってえ!今更、戻れるかよ!」
各部の軋みがまるで猛獣の叫びのように響く。そして、片腕をもがれたグムルは再び立ち上がった。
チュウイチ視点
「動くのか・・・?」
流石にうろたえた。あそこまでオイルを失えば機能不全で動かないはず。何があのグムルを動かしているのか、不思議だった。
「とどめを刺すしか無いか・・・!」
その意気を買うわけではないが、こちらも接近戦でカタを付けることにした。
黒鴉団視点
「てああああああ!」
肉弾。まさしくその呼び方が正しかった。体当たりで状況を打開しようとしたのだ。
その後のことは一切頭には無い。
チュウイチ視点
「ブライヤディッシュ・パルムを使わせて貰うぞ!」
右手の平をグムルの胸部に当てるように体当たりを受け止め、操縦桿のトリガーを引く。すると、右手の平に内蔵された徹甲杭が超高速で打ち出される。それをまともに食らったグムルは10m程吹っ飛び、爆散した。俺はため息を一つついた。そしてグムルの残骸を見下ろす。
「ま、食い詰めた軍の脱走兵ってとこだったんだろうな。こいつは。軍に始末料を請求しなきゃな。」
タバコを手の甲にひとつまみ取り出し、鼻から吸った。
主力である甲闘機3機をすべて失った黒烏団。そして逃げていく団員達。もはやかつてのような勢いを取り戻すのは不可能だろう。
俺は村の連中が見えるように、成功の意味が込められた信号弾を高くに撃ち上げた。
ノクタヴァ村 村役場
「ありがとうございました。本当になんとお礼して良いやら・・・」
「礼はいらないよ。金をもらえたんだから、それで良いのさ。あ、散り散りになった奴らが、まだ外をうろついている。気をつけるんだぞ。それじゃ。」
金が詰まったバッグを片手に、村長室を出た。出たところにマドアが立っていた。マドアが口を開く前に俺が話す。
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