暁 〜小説投稿サイト〜
甲闘戦機 アイアンアームズ
小粒のオパール
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りました。」
アリシアはオーダーを伝票に書いて、厨房へ走っていった。
「・・・。」

――夜。俺は昼食を済ませた後、ホテルに戻って、軽く仮眠を取っていた。そして機体の最終チェックを行っていた。
「燃料は増槽まではいらんだろうな。多分すぐ決着がつくだろう。キャノイック砲と、頭部の機関砲のチェックは問題なし。・・・あとはMACSとブライヤディッシュ・パルムか。」
俺は左腕部に内蔵された火砲のチェックに入る。砲身はアルタイルで換えた新品だ。弾薬は散弾を装弾した。接近戦での打ち合いでは重宝する。続いて、右掌にある武器に徹甲杭を装弾する。接近戦での究極兵器。一撃でどんな的も屠れる。
「うん、よし。」
俺は燃料の補給も済ませ、時を待つ。

日の出までに狙撃ポイントへ移動を始める。キー・クランクをスターターに差し込んで、目一杯回す。暫く回し続けると、大きな咆哮の後、エンジンが徐々に回転数を上げ、機体後方の排気口から黒い煙が吹き出す。そしてエンジンのウォーミングアップが終わるまで、油圧計を確認する。
「よし。エンジンが目を覚ましたな。各部チェック・・・、脚部ハイドロ異常なし。腕部ハイドロも異常なし。武装もオーケー。・・・行くか。」
鋼鉄の脚は歩み始める。そして空が白み始める。
「・・・もう、夜が明けるな。」
俺はそう呟き、ポイントへ急いだ。

黒鴉団 アジト付近

 夜明けまであと10分程度。狙撃ポイントに移動していた。腕時計を確認する。ほぼ定刻通り。前日の仕掛けと同時に、キャノイック砲をお見舞いして、混乱したところを叩く奇襲戦法を取ることにしたので、何より一撃目が肝要となる。
コクピットでは、紙タバコを吸わないので、嗅ぎタバコにしている。手の甲に少量のタバコを出し、鼻から吸った。一息つく。
「さて。仕事の時間かな。」
キャノイック砲の安全装置を解除する。右肩部に折りたたまれていた砲身が、展開される。そして、コクピットの装弾レバーを引いて、薬室に弾を送り込んだ。

 夜明け。マスターアームを上げ、照準桿を操作し、照準を野ざらしで整備しているシュミックに合わせる。深呼吸をする。大きく吸って、吐く。吸って、吐いた瞬間、迫撃砲の発砲音が乾いた荒野に響いた。そして、その発砲音と同時にキャノイック砲のトリガーを引いた。
程なく、シュミックの胸部に命中し、まもなく炎上、爆発した。
そして打ち出された照明弾は、慌てふためいた黒鴉団の拠点を照らし出していた。

黒鴉団アジト 黒鴉団視点

「何事だ!」
頭目である俺は、奇襲に流石に慌てていた。
「頭目、襲撃です!」
「んなもん、見りゃ分かる!どこからで、どれほどの規模かって聞いてんだよ!」
「それが、分からないのです。照明弾の発砲音と同時で、方位も距離もさっぱり・・・。さっ
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