小粒のオパール
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みる。
「あしたのひる、むらへなぐりこみだから、しっかりやっとけ」
そう言っているように見える。俺はボトルに入った水を一口水に含んで、すぐ村へ戻った。
おっと、その前に仕掛けをしておかなきゃ。俺は、車のトランクから迫撃砲を取り出す。この位置だ。おそらく気づかないだろう。俺は迫撃砲の砲身に照明弾を装填し、時限装置に繋げ、時計を明日の日の出にセットする。
「おし、大丈夫だろう。」
狙いは明日の日の出。このタイミングは人間が最も油断しやすい時間帯。それに、薄い日の光が余計に狙いづらくさせる。俺は車を村へ走らせた。
ノクタヴァ村 村役場
「っていうわけだ。村長さん。明日の明け方。奇襲を仕掛ける。金の分は働いてみせるよ。」
村長に大体のプランの説明、万が一のプランを話していた。
「分かりました。万が一の際は、私たちがしっかり住民を逃がします。」
俺はタバコを口に咥え、マッチを擦る。
「ま、万が一は無いけどな。一応、リカバリプランが無いと大体の依頼者は不安がるからな。」
タバコに火を着け、ふかして、煙と一緒に大きく息を吐く。先ほどからドアの磨りガラスからちらちら見える影に話しかけた。
「なあ。部屋の外から立ち聞きはどうかと思うんだがね。」
ドアの向こうにいた人物が部屋に入る。
「・・・マドア君か。とにかくそういうことだから、チュウイチ君の邪魔はしないでくれ。」
村長が、マドアの行動を先読みして牽制をする。
「・・・分かっていますよ。私たちは万が一のプランの時に動かさせて貰いますよ。」
マドアの表情が明らかに朝一見た、誰にでもかみつくような表情では無くなっている。マドアは、俺を一瞥して無言で部屋を去った。
「なんか考えてる風な顔だな。アイツ。・・・まあ、万が一は無いんだけどな。」
半分まで灰になったタバコを机の灰皿で捻じ消し、村長室から去った。その姿をマドアが見つめていた。
ノクタヴァ村
俺は昼食をとろうと、近くのレストランにいた。
・・・アリシアだ。アリシアが、ホールの仕事をしていた。眉一つ動かないいつもと同じ表情だが、客が去ったテーブルを拭く姿は熟れた物であった。アリシアは俺に気づいたのか、あるいは単純に客としてなのか、分からないが、オーダーを取りに来た。
「いらっしゃいま・・・、あっ。」
どうやら気づいていなかったらしい。普段の表情以外を初めて見た。
「やあ。こんなところで働いていたのか。」
「え、ええ。村長の家にお邪魔してるだけだと、悪いから・・・。それに・・・」
「それに?」
「動いてた方が気持ちが楽なの。」
「そうか・・・。んじゃあ、ウェイズドビーフのステーキを頼むよ。カクートのジュースも。」
俺は、嫌なことを思い出させたら悪いと思い、オーダーを頼んだ。
「あ、はい。かしこま
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