小粒のオパール
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、村長から簡単に聞いたよ。・・・奴らが憎いか?」
アリシアは俯く。暫く沈黙が続くが、軽くうなずいた。
「・・・憎いよ。お父さんと、お母さんが、目の前で・・・!あいつらも、あいつらを差し向けた隣村の人間も・・・!」
「そうか・・・。まあ、全部は無理だが、その憎しみの内、半分は晴らしてやれるかもしれない。」
「・・・。うん。」
「でもまあ、お前さんのような人間を俺は結構見てきた。無茶をするんじゃ無いぞ。もう半分の憎しみは、自分を壊すようなまねをしないことを祈るよ。」
「うん。あの、・・・がんばって・・・ください。」
アリシアは、立ち上がって、ガレージから出て行った。
「・・・まあ、俺が言えた立場でもないんだがね。」
俺はウィスキーの瓶を開け、直接呷った。昼間、殴られた時にできた口の中の傷が染みる。
次の日、俺は黒烏団の様子を探るために、車を借りようと、村役場へ出向いた。俺が村長の所へ出向こうとすると、昨日のあの男が村長に詰め寄っていた。
「村長!あんな男に頼まなくても、我々自警団だけでどうともできます!あんな男に7000ディルも支払う必要はありません!」
村長が机に向かったまま答える。
「マドア君。君のその勇ましい言葉は聞き飽きた。もう3年。成果は上がってないじゃないか。甲闘機には甲闘機を。君たちの戦いぶりから感じた私なりの結果だよ。さて、君たちはさっさと狐狩りの準備でもしたらどうかね?」
「ぐっ!・・・失礼します!」
マドアと言う名前なのか。と、俺は思った、その矢先。村長室のドアが乱暴に開けられ、マドアが小走りで去って行った。俺はその背中を見て、村長室へ入った。
「朝っぱらから邪魔するぜ。村長。こんな小さな村でも、一枚岩じゃ無いようだな。」
「ええ、お恥ずかしい。彼は自警団の団長でマドアという男なのですが、この村をとても愛してくれていているのですが、どうも頭が固いところがあるようなので・・・。」
「ま、そういうヤツは陸軍に腐るほど居るぜ。自分だけで、部下に目が届かない奴がね。目も合わせたくないがな。・・・そうだ、用事はこんな話では無く、車を借りたいんだが。奴らのアジトと、装備を調べたい。」
「分かりました手配しましょう。」
ノクタヴァ村から40km北 アレイア砂漠境界 荒野 黒鴉団アジト付近
俺は、黒烏団アジトの側まで来ていた。腰に45口径の拳銃を差し、反射光で気取られないように、双眼鏡で奴らの甲闘機を覗く。
「甲闘機は3機か。一機はグムルか?もう二つは標準のシュミック。・・・甲闘機を3機揃えて整備できるとなると、わりかし大きい甲賊か。・・・陸軍払い下げの機体だな。しかし、旧式のシュミックはともかく、グムルはまだ現役の機体だぞ・・・?」
周りの賊の口を双眼鏡で覗いた。読唇術をできる限りやって
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