暁 〜小説投稿サイト〜
甲闘戦機 アイアンアームズ
小粒のオパール
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一人の男が睨む。
「何やってるのか、わかんねえのか?」
「野郎が4~5人固まって、女をいじめようとしてんだろ?クズ野郎だな。」
俺は煽った。
「ああ?てめえ、俺たちが村を守ってやってる自警団だと解っててやってんのか?」
よくよくみると、男達のジャンパーには自警団のワッペンが縫い付けられていた。
「ああ、解らんね。俺はこの村の人間じゃ無いから、お前達の事なんて、わかんねえな。」
俺は、そのまま腰に差していた45口径を抜いた。多勢に無勢。正直、はったりにも近い。
「て、てめえ!やる気か!?」
男も応戦しようと、懐に手を伸ばそうとした時、
「おい、バカ。やめろ!大きな騒ぎを起こすなって!団長にばれたらタダじゃ済まないぞ!」
別の男がその手を押さえた。押さえられた男は、収まりがつかない顔で、俺に捨て台詞を吐いた。
「ちっくしょう!てめえのその面、覚えたからな!」
男達は引き上げていった。俺は内心、ホッとし、銃を納め、女の方へ向かった。
「・・・あれ?お前さん、村役場にいた・・・」
「アリシア・・・です。あの・・・、ありがとうございました。」
「ほら、いきな。この時間は一人で出歩いちゃいけないよ。」
アリシアを見送る。
「しかし、自警団の奴らか・・・。どこもやさぐれた治安組織はあんなもんだな。」
複雑な気持ちを胸に酒屋に再び足を向け、酒を買い込んだ。

 サトジマ社製二式銀星エンジン。公称出力1800馬力。甲闘機向けのエンジンでは燃費の良い、バランスのとれたエンジンである。エンジン音が借りたガレージに響く。
「うん。調子は良いな。各種武装チェックも良し。吹き上がりも無い。砂も・・・まぁ、大体は取れた。」
ふと腕時計を見る。夜の12時。流石に、このエンジン音は周りに迷惑かと思い、エンジンの火を落とす。
「・・・弾薬チェックして寝ようか。」
弾倉に装填した127mm肩部キャノイック砲の弾頭を磨く。次に頭部の12.7mmの弾帯を確認する。
「弾を用意してくれるのは良いが、一部錆びてるんだよな。その分は磨かなきゃな。」
木箱の上に腰をかけ、ウィスキーのボトルを横に、暫く弾頭の錆を落とす作業をする。
「・・・そこで見てないで、手伝ってくれるのかい?アリシア君?」
暫く陰から見ていた、アリシアを放って置いたが、何とも見られるのは気になるので、声をかけてみた。
アリシアは恥ずかしそうに出てくる。しかしながら、表情は先ほど見た表情と変わらないように見えた。俺の隣に座った。
「どうやらこの村はよそ者が珍しいらしいな。」
「・・・あの、さっきはありがとう。ホントに、あのままさらわれちゃうかと・・・。」
「ああ、お礼なんて良いよ。気が向いただけだしな。サービスって奴だよ。」
話題を変えた。
「・・・お前さんの生い立ち
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