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甲闘戦機 アイアンアームズ
小粒のオパール
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です。」
「まぁ、甲賊が幅をきかせてるとこじゃあ、良くある話だな。首都のアルタイルじゃあ、そんな子供が群れをなして、つまんない犯罪を繰り返してその日暮らし・・・、なんてことが日常茶飯事だからな。」
「そうなのですか・・・。やはりアルタイルは怖いところです。しかし、私は、家族の居ない私にとっては、アリシアは娘のような存在なのです。」
「そうか・・・。彼女はまだ恵まれてる方なのかもな。・・・さてと。」
俺は立ち上がり伸びをした。
「チュウイチさん、どちらへ?」
「宿だよ。大体の話も分かったし、機体の整備もしなくちゃな。あちこち砂が入ってて大変なんだよ。」
「そうですか。宿まで車で送りましょうか?」
「いいや、結構だ。この村のことをもう少し知りたいから、歩いて行くさ。」

俺は、村役場を出ようとした。出入り口の縁に寄っかかった男が話しかけてきた。
「おい、よそ者。」
明らかに友好的な話し口では無い。
「・・・何の用だ?」
「俺たちはな、お前のようなよそ者の力を借りないでも、あんな奴ら追っ払える。」
「そうか。その割には、結構荒んでるようだな。見た感じ、お前さんは自警団の人間かい?」
「・・・そうだ。俺たちは数百年前から、この土地を守ってきた。俺たちだけでな!」
「そういうのを時代遅れっていうのさ。お前さんのような人間、うん百人集めたって、甲闘機が群れをなしたら、烏合の衆さ。」
「なんだとっ!?」
俺は胸ぐらを捕まれる。・・・熱くて、無能な男だ。
「・・・放せよ。今、俺は7000ディルの男だぜ?お前さんらでは稼げん金だ。」
「テメェ!」
左頬に拳が一発。流石に至近距離。避けようもないし、なかなか良いパンチだった。吹っ飛んだ。口の中に血の味が滲む。
「気が済んだか?お前さんは丸腰の人間をぶん殴る事ぐらいしかできない。どんな敵が相手でも俺は戦える。金を払ってくれればな。それに、金を払ってくれれば、命だってかけられる。お前さんの数百倍役に立つ自信があるんだぜ?」
俺は血混じりのつばを吐き、立ち上がってその場を去った。男は追ってこなかった。

日中は装備の補給の指示を出し、貨物の整理を行い、なんだかんだで夕方になっていた。俺は、ようやく補給の指示も段落がつき、寂れて砂混じりの街を歩いていた。人もまばら、忘れられた街といった感じ。俺はタバコを吹かしていた。
「つまらない・・・、街だな。酒でも買って帰ろうか。」
と、酒屋へ向かう途中、4~5人くらいの騒がしい男の集まりがあった。
「いいじゃねえか、こっちにつきあえよ。なあ。普段の鬱憤を晴らさせてくれよなあ?」
いかにもな台詞。抵抗する女性は、声を上げない。柄でもないし、気が乗らないのだが、とりあえず声をかけることにした。
「お前さんら、そんな大人数でなにやってんだ?」
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