暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part1/盗まれたウルトラゼロアイ
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いいさ」
そんな彼女を見かね、ジュリオがこそっと、ルイズの耳元でささやく。明らかにからかっている。それを聞いてルイズは顔をボッと赤くする。
「な、なななな何言ってるのよあなたは!?」
わかりやすいその態度に、ジュリオだけでなく、他の皆もルイズの気持ちを察してくすくすと笑った。キュルケも当然加わっており、ものすごく恥ずかしい思いをさせられたルイズだった。
(ハルナが、俺の相手役になるのか…)
一方で、サイトはノエル役の候補に選ばれたハルナを見る。
『よかったんじゃねえか?』
『な、なんでだよ…ゼロ』
急にゼロが脳内でサイトに話しかけてくる。
『ん?なんだ、ルイズの方がよかったか?』
『だから何を言い出してんだよ。意味わかんねぇぞ』
話のタイミングとその内容からして、なんだか茶化してきているような気がした。
しかし最後にウェザリーは全員に警告するように呼びかける。
「けど、当日になって体調不良になる場合もあるから、各配役には別の候補を立てるつもりよ。後半から登場するケイン王子もだけど、それ以上に物語の主役であるノエルは外せないからね。
では各自、稽古を怠らないように。解散」
なるほど、万が一役者に何かしらの支障が起きた場合に備えて、予備の役者も立てる魂胆のようだ。


仲間たちが一旦舞台から降りたところで、サイトの下にレイナールが近づいてきた。
「なあ、サイト…だったかい?」
「あ、ああ…お前は確か、レイナールって言ってたな?」
「そうだ。覚えててくれたのか。まぁそれはそうと…」
「どうしたんだよ?」
「いや、どうしたんだよって…僕たち、いつまでここにいればいいんだ?」
「それは、数日後の舞台の本番までだろ?」
「それはいいとして、本来僕らが女王陛下から黒いウルトラマンについての情報を集めなくちゃいけないだろ。なのに、皆芝居のことで頭一杯だから、趣旨が変わってないか不安なんだ」
レイナールとしては、本来の路線から外れた物としか思えない、今回の舞台に立つという行為は、途中で女王からの任務を放棄した物としか思えず、同時に仲間たちが稽古に励みすぎていることに関して不安を募らせていたのだ。
「それはないと思うけどな…。ルイズに関しては特にそうだし」
だが、あのルイズがアンリエッタからの依頼を忘れているとは思えない。ずっと一緒だったサイトにはそれが分かる。
「それはよかったんだけど…」
いいのだろうか…そんな不安を募らせていくレイナールであった。
「む…?そこにいるはサイトか?」
「え?」
サイトは急に名前を呼ばれ、後ろを振り返る。できれば今の…芝居稽古の練習直後というタイミングでは会いたくなかった人物がそこにいた。
「み、ミシェルさん!?」
よりによって、銃士隊の副長でもある女性、ミシェルだった。

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