暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part1/盗まれたウルトラゼロアイ
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
でるんだからね」
スカロンとジェシカも励ましの言葉を送る。
「そ、そうは言われても…」
しかし、サイトはこうも思った。自分に主人公としての素質?あるとは思えなかった。ましてや素人である自分からそれを感じるなんて、芝居を本業としているウェザリーがそんなアバウトさを感じる選択をするのだろうか。
「じゃあ、ヒロインのノエル王女の役は?あたしかしら?」
「あんたであってたまるもんですか。当然私に決まってるでしょ」
主役がサイトならばこの席を譲れない。キュルケが真っ先に自分がヒロインにふさわしいことを遠まわしに言ったが、ルイズがそれに反発して自分だと主張する。
「ノエル王女のことなんだけど…ハルナ、あなたよ」
「え、ええええ!!?私ですか!?」
それは彼女にとって、まさかの名指しだった。自分が選ばれるとは思わなかったハルナは思わず声を上げてしまう。
「ハルナがヒロインですって!?」
ルイズは驚きを露わにする。自分も以前の魅惑の妖精亭で培ってきた経験をもとに頑張ったから、自分が選ばれる自信がある方だった。
「え〜、せっかくヒロインを射止めて、ルイズに地団駄を踏ませようと思ってたのに」
キュルケは選ばれたなかったことに対して残念そうにしている。自分が選ばれたなら、その分だけルイズをからかってやれたのだが。
「でも、ハルナで大丈夫なの?」
モンモランシーが心配の念を口にすると、ハルナはかなり緊張しきっていた。
「私がヒロイン…私がヒロイン…」
きっと失敗したらどうしようという悪い予感を募らせていることだろう。
「心配…」とタバサがハルナを見てようやく口を開いた。しかしウェザリーは言った。
「不安に思っているみたいだけどハルナはよく頑張ってくれたわ。その一生懸命さを糧にヒロインとしての立ち振る舞いが、私のインスピレーションをうまくマッチしていたからね」
「そうだね。彼女はよく頑張っていたよ」
ジュリオも素直にハルナのヒロイン抜擢を祝福している。
「まぁ、頑張っている理由は一つしか思い当たらないけどね」
彼の付け加えてきた一言に、全員が「あ〜」と声を漏らして納得した。それを聞いたハルナは「え、え?」と、周囲の皆の顔を見る。なんか悟ったような穏やかな顔にも見える。自分がノエルのポジションに立てるようにっ頑張った理由をみんなが察していたのだと気づき、少し顔が赤くなって俯いた。サイトはその意図を全くくみ取れておらず、首をかしげている。
「せっかくだから私がやろうと思ったのに…」
頑張ったのにヒロインに選ばれなかったことについてルイズは密かにブー垂れていた。当初貴族のプライドを理由に舞台に立つことを渋っていたのだが、だからこそその分だけ稽古に力を入れていた。
「大丈夫さ。現実と舞台は別物さ。サイト君を振り向かせたいのなら現実で頑張れば
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ