雨夜-レイニーナイト-part1/盗まれたウルトラゼロアイ
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美しい白い花が二つ咲くようになった。
いわゆる、バッドエンドものだ。
(改めて思うけど、こんなのやっぱり不謹慎だわ…)
ルイズはこの話そのものは決して悪いものだとは思わないが、貴族たちの視点から見てあまりよい印象を与えられるものだとは思わなかった。
「さて、配役だけど…サイト、あなたには今回の演目の主人公であるノエルの相手…ケイン王子の役を任せるわ」
「え!?」
主人公の恋人役、それほどの大役を任されたことにサイトは耳を疑った。
「す、すごい!平賀君が王子役だなんて!」
「やるじゃないサイト。ま、私の使い魔なんだから当然ね」
ハルナは驚きと夜転びを混じらせ、ルイズは誇らしげだ。…使い魔は関係ないが。
「な、なぜサイトなんだい!?僕という逸材がいるだろうに!」
ギーシュはというと、自分こそがと思っていたらしいので、サイト本人に不満があるわけではないが、自分が選ばれなかったことが信じられないようだ。
「…君はいらない動きが目立ちすぎなんだよ」
「言えてる。ギーシュって露骨に目立とうとしてるじゃないか」
しかしその選択は当然だと、レイナールが後ろから声をかけてくる。マリコルヌまで同意した。彼の言うとおり、ギーシュは無駄に大げさでキザな動きをとったり、台本の台詞よりも明らかにくさ過ぎる台詞に変えている姿が度々見られていたのである。二人の友から言葉で滅多打ちにされたギーシュは肩を落とした。
「どうせ僕なんて…」
「ま、まぁまぁ…」
流石に不憫だったのか、モンモランシーはギーシュを慰めるのだった。しかし彼女も、彼が寧ろケイン王子役でなくてよかったと思った。本番でも練習のときと同じ、あの動きをされては見ている側が恥ずかしすぎると思っていた。
「え〜、私はジュリオ様が選ばれると思ってたのに」
「そうよ、あんなにかっこいいのに…」
妖精亭の妖精さんの一人はギーシュの主張は愚か、存在を無視して、一番の美男子であるジュリオが選ばれると考えていた。しかし、そんな彼女たちの意見をウェザリーは一蹴した。
「顔だけで全てを判断するのは人間として見る目がないことと同じよ。私はサイトの中に、物語の主人公としての強い素質を感じたからこそ彼を選んだの」
「そうだね、僕もサイト君の一件見ただけでは感じられない、男としての魅力に寧ろあこがれさえ感じるよ」
一方でジュリオは自分ではなくサイトが選ばれたことに不満はなく、寧ろ満悦そうだ。どの口が言いやがる…とサイトは心の中でジュリオに毒ついた。
「サイトちゃん、ウェザリーちゃんの人を見る目は本物よん。それほどの彼女があなたを選んだということは、それだけの価値があなたにあるということ。自信を持つのよん」
「パパの言う通りよ。サイト、選ばれたんだからしゃんとしないと。あたしもこう見えて、あんたを見込ん
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