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銀の煌めき
銀の煌めき 1話 始まりの朝
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私の体内が少し熱くなった。正確に言うと、自然の理を捻じ曲げて、魔法の対象者の皮膚と空気が触れ合うところに1ミリほどの薄い特殊な、外気より5度暖かい空気膜を構成したのだ。この空気膜は魔法作用で外気とは混ざらないようになっている。
「帝斗様、恩恵を私に与えてくださるのはありがたいのですが、規約に反さない程度にしてくださいね」
「わかってますって、じゃあ行ってきます」
  私と帝斗は改めて外に出た。私は携帯で時刻を確認した。
「やっぱり、少し早いね。電車くるの待たないと」
「なら、駅で買いたいものがあるから売店よっていいか?」
「うん、いいよ」
  私たちは、駅に向かって歩き始めた。通学路には同じ高校の生徒どころか、人がほとんどいない。駅に近づけば、大人はある程度いるが、この辺りは田舎なので、子供がとても少ない。なぜこんな秘境じみたところに家が建っているのかと言うと、人の目を避けるため、と言う理由がために挙げられる。魔法師という事は他人に決してバレてはならないので、霧真家は代々、この土地に住んでいる。
「なあ、梨桜」
「ん? なに?」
「お前さ、銀の魔法師って聞いた事あるか?」
「銀の…魔法師? いや、知らないなぁ」
「そうか、うーん…」
  勉強、魔法関係問わず、知識豊富な帝斗がこの様に悩むのは珍しい。
「それがどうかしたの?」
「いや、忘れてくれ、大したことじゃない」
「そう?」
  少しキナ臭いが、私は気にしなかった。重大なことなら、帝斗自ら私に言ってくるはずだ。言わないということは私には関係のないことなのだろう。しかし、教えてくれないのは少し気にくわない。私は、違う話題で、帝斗を少しいじめることにした。
「ねぇ、兄さん、蒼美さんと一緒に学校行ったりしないの?」
「と言われてもなぁ、家はてんで反対だし、あいつ自転車だろ? たまにあいつを送って帰ることはあるけど、それ以上はないな」
「ふぅーん」
  私はにやっと、意地の悪い笑みを浮かべながら、追い打ちをかける。
「な、なんだよ」
「そんなのでいいのかなー? 蒼美さん、寂しがってるかもよ? ううん、絶対寂しいと思うよ、お兄さんと二人暮らしだし、そのお兄さんだって、そんなに帰って来ないじゃん? うちに泊めてあげたりしようとは思わないわけ?」
「それは…」
  返事に困る帝斗。そんな兄を見るのが、私は数少ない楽しみでもある。
「それは…なぁ、無理だろう。蒼美は魔法師じゃない。確かにそうしてやりたいのは山々だけどさ、普通の人に俺たちの存在がバレるわけにいかない、バレたらどうしなければならないか、知っているだろう?」
「そのリスクを背負っても、蒼美さんを想うなら、やっぱりそうしてあげるべきじゃないのかなー?」
  帝斗は、確かに頭は良いし
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