暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
劇場-シアター-
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りして言うと、無理をしているように思える』
『お前も感じ取っていたんだな』
今の口ぶりだと、ゼロもまたサイトと同じように、シュウが何かを背負っていることを悟っていたようだ。
『テファたちなら、何か知ってるのかな…?』
『さぁな。でも、あの子もシュウのことをあまりよく知っているわけじゃなかったと思うぞ。ウエストウッド村でそういっていたはずだ』
テファも、召喚した本人とはいえ、当時はシュウのことをよく知っているわけではなかったことを打ち明けていた。となると、彼女から聞いてみても期待はできない。
『そうだったな…って、なんだよ。お前あのとき俺の中で引きこもってたのにしっかり聞いてたのか』
『あのな、俺たちウルトラマンだって意外と退屈なもんだぜ。こうして違う人間と同じ肉体を共有して、普段は宿主に表沙汰は任せっきりなんだからな』
ウエストウッド村を来訪した時、仲たがいの果てにゼロはサイトの中に閉じこもっていたはず。何気に会話を聞いていたことに、盗み聞きをされたと思ったサイトは少しいやそうな表情を浮かべたが、対するゼロは人間と一体化しているが故の悩みから愚痴をこぼしてくる。
「サイト!」
「うわ!ルイズ!?」
すると、考え込んでいるサイトの顔をルイズがいきなり覗き込んできたので、サイトは驚いて声を上げてしまう。
「わ、とは何よ。何時まで突っ立っているの?早く姫様からの任務にかかるわよ」
「平賀君、どこか体の調子でも悪いの?」
「あ、ああごめん。なんでもないよ」
ハルナからも心配の言葉をかけられたが、本当にただ考え込んでいただけだ。なんでもないと告げた。

こうして街に現れたという黒いウルトラマンを追って、調査が開始された。


とりあえずファウストが現れたエリアを重点に置きながら、現場付近に住まう人、通りがかった人たちから話を聞いていった。
主な話は城で聞いていた通りだ。
夜中、街を警邏中だった見回り兵によると、突如目の前に全身を黒いローブを身に纏う小柄な女が現れた。そいつは目の前で素顔をさらすことなく、黒いオーラを身にまとった瞬間、ファウストに姿を変えたという。それも一件だけじゃない。街の各地でそのような事件が起きたらしく、奇跡的に死人こそ出てはいないものの、被害者の容態はいずれもよろしくない。目撃者の話だと、奴はこういっていたらしい。
『回復した私の力、お前で試させてもらう』と。アニエスの予測は、当たっていたようだ。それだけに、人間をウォーミングアップ用のサンドバックのように扱ってきたファウストの愚行を許せないと思ったサイトたち。
ただ、サイトにとって心に傷を突けるような言動も証言と共に住人の口から発せられた。
「ウルトラマンまで敵になるなんて…」
「ウルトラマン同士の争いなんて、他所でやってほしいわね」
……。
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