劇場-シアター-
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ズが後ろからサイトに声をかけてきた。
「え?な…なんでって…そりゃ、俺たちがまだ未熟な奴だって見られているから釘を刺したんだろ?」
「そうは見えなかったと思うけど…」
ハルナも思い当たるところがあってか、そう呟いてくる。ルイズと揃ってジト目でサイトの背中を突き刺すような視線で睨みつけてきている。
「は…ハルナまで何言ってるんだよ。ミシェルさんが俺たちに言えることなんて他に何があるっていうんだ?」
「「…別に」」
二人はサイトから視線を背けて、たった一言で会話を切った。明らかに不機嫌なご様子。俺、やっぱり何かしたのかな…とサイトは困惑するばかりだった。
「ダーリンったら罪な男…」
キュルケがやれやれといった様子で呟いた。ミシェルがなぜサイトに声をかけたのかも、なぜルイズとハルナが不機嫌になっているのかも、全て彼自身に原因があることに他ならないのに、その自覚が全くないからさらに余計にそう思えてならない。
(なんか釈然としないな…まぁいいや)
サイトはミシェルが自分に釘を刺してきた理由についてはもう考えないことにした。それよりも、今回アンリエッタから任された任務…黒いウルトラマンについての調査だ。
『できれば、今回の任務にはシュウの手も借りたかったんだけどな…』
シュウの顔を浮かべながら、サイトは思う。
これまで現れた闇のウルトラマンたち…ファウストもメフィストもシュウの世界、サイトの地球から見てパラレルワールドに当たる世界に姿を見せたとされている脅威。そしてシュウは新人ではあったが、その世界の防衛チーム出身者。貴重な情報の持ち主だったことに変わりない。そのぶん何か、ファウスト攻略のためのヒントも導き出せると思っていたが、先日の会談の際にシュウとの連絡が途絶えている以上やむをえない。
『ないものねだりしても仕方ねぇ。けど幸い俺たちはファウストと直接拳を交えたことがある。それだけでもルイズたちとは違う視点から奴を警戒し、分析することもできる』
『そうだけど…それだけじゃない』
『…心配か?』
『ゼロだってそうだろ』
『まぁな…』
サイトから言い返され、ゼロは否定できなかった。
『なんかさ、俺あいつのこと、すごい奴だって思ってた。俺たちよりもウルトラマンらしく、力に溺れることなく、文句も言わず、大きな間違いだって起こさないで、テファや村の子達、たくさんの人たちを守って…俺たちのことも助けてくれてた』
最初に会ったのは、モット伯爵の屋敷で始めてスペースビーストと戦ったとき、それに伴ってあいつと出会った。あのときを川切りに、自分たちと彼の関わる機会が増えていった。気が付いたら背中を預けあいながら戦っていたのだが…
『考えてみれば…どこか変だったな。あいつも何か、重いものを抱え込んで、それを引きずりながら戦っていた気がする。ざっく
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