暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
劇場-シアター-
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考えないか?そんなあからさまな不純な動機で…」
太っちょであることへのコンプレックスを抱き続けてきたマリコルヌをうまく引き込もうとしているジュリオの説得にはどうも無理がある。自分に背を向けた状態で、ギーシュと同じような物思いに耽り始めるマリコルヌに、冷静に考えるべしと訴えようとするレイナールだが、対するマリコルヌは俯いた状態でレイナールに言い返してくる。
「レイナールよ、君は…なりたくないのか?」
俯いているその顔にはかげりがあったが。何かものすごい凄みを孕んでいるような気迫に、レイナールは一体なんだ…と気迫に押されかけるが、直後により一層呆れ返ることになる。
「身分なんか関係ない!輝く舞台に立ち、たくさんの女の子たちからの注目を浴び、モテモテになっていく最高の自分というものに!」
「…はぁ……」
何気に深刻ぶったような間を置いていってきたのだから、もしかしたら自分が関心を寄せるほどのまともな理由かと思ったら、…期待した自分が馬鹿だった…とレイナールは自分の愚かさを呪った。マリコルヌも単純な奴だったのだと。
「マリコルヌとレイナールもギーシュと同意見って事ね…」
「ち、ちょっと待ってくれルイズ!僕を二人とひとくくりに考えないでくれないか!?」
ルイズがレイナールたちのやり取りを見て、本人の意向も無視して決めてしまう。
まぁ結果として、全員が芝居に参加する流れが組みあがったのだった。
「皆さん、すみません。それと…ありがとうございます!」
ハルナは感謝の思いで一杯になって、サイトたち全員に頭を下げた。自分の鞄一つのためにここまでしてくれるなんて思いもしなかったのだから、どれほど感謝しても足りない。
「どうやら全員参加するということね。こちらとしても交渉を受け入れてくれて助かるわ」
ウェザリーも全員が芝居に参加することに関しては望ましいことだった。
「でも、私はかつてあなた方と同じように貴族を名乗っていた者よ。今更できないだのなんだの…弱音は聞かないわ。いいわね?」

こうして、サイトたちが臨時の劇団員としての活動が始まったのである。
一応、劇場に集まるお客から黒いウルトラマンの情報を集めるため、という名目で。

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