劇場-シアター-
[17/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ていた。
「か、勘違いしないでよね!劇場ってことは、平民がたくさん集まる場所でしょ?
もしかしたら、ファ……『例のあいつ』の目撃情報も集まるってことよ」
サイトからの感謝の視線があまりにまぶしくて思わず顔を赤らめながらも、ルイズは芝居に参加する理由を言った。一瞬ファウストの名前を口に仕掛けたが、何とか訂正する。もっとも彼女のことだから、これが本音ではないと思うが。
「そういう理由なら納得ね。それなら私もやってやるわ」
ルイズに続き、ため息交じりではあるがモンモランシーも同意してくれた。
「もとより僕は貴族じゃないからね。参加を拒む理由なんてないさ。それにお芝居だなんて、面白い体験になりそうじゃないか?」
ジュリオはさっきからずっと浮かべている笑みを崩すことなく許諾してくれた。
「で、残りの男共。あんたたちは?」
キュルケが、残った男3人に視線を傾ける。
「えぇ!?反対なのは僕らだけかい?」
反対派の三人である彼らは、まさか女性陣が結局引き受けることにしたことに信じられないといった様子だ。
「ううむ…」
ギーシュはまだ迷っている様子だ。モンモランシーが参加するのだ。自分も参加して彼女を支えないといけない。だが、芝居に出たことが実家にばれたら、きっと父上や兄たちから最悪、グラモン家から勘当されてしまう。それがどうしても怖い。
「ギーシュ君ほどの美男子が舞台に出るなら、きっと街の女性たちも注目せずには居られないと思うんだけどな」
ジュリオがギーシュに、明らかに彼の下心を促進する説得を試みる。
「べ、別に平民の女の子には興味はないが…そこまでいうのなら…考えてもいいかな?」
やはりというべきか、言ってる言葉とは裏腹にギーシュは簡単に揺らいでしまう。
「おいおいギーシュ…」
「全く、相変わらずね…」
たった今、平民の女の子たちからモテモテハーレムを築いている光景を妄想するあまり、表情がだらしなくなっているギーシュを見て、レイナールとモンモランシーは呆れる。モンモランシーは後でまた焼きを入れることになることを予測した。
「そんな、無理だよ…僕なんて丸々太ってて…」
自分のとてもハンサムとは言えない姿にはやはりコンプレックスを抱いているのか、マリコルヌは乗り気じゃない。寧ろ笑いものにされる光景を想像している。
「何を言うんだい、マリコルヌ君」
しかしそんな彼にもジュリオは誘導…基い説得を試みる。
「僕は自分の見た目には自信はあるが、何より大事なのは見た目なんかじゃないのさ。君の『気高く美しい心』なのさ。それを君の演技力で観客たちに見せる。そうすれば、君の本当の魅力に大衆の女の子たちは気づき、目を向けてくる。
女の子たちからの人気なんて爆発的に伸びるさ…ふふ」
「女の子たちからの人気、か…」
「マリコルヌ、もうちょっと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ