劇場-シアター-
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「安心しろ。私の得た情報によると…奴らは普段は人間の姿で潜んでいるとのことだ。いくら絶対的な力を持つ連中でも、その姿でいる間は人間と大して変わらんようだ。そこを叩けばよい。幸い奴らも、自分たちが守っている人間には攻撃されるとは思うまい。
よいか、奴に近づき、必ずしとめるのだ。この国の安泰のために」
「わかりました…では、奴らの人間としての姿の特徴についてお教えください」
「うむ、これだ…」
男は、自分の傍らに置いてあった小さなテーブルの上にある一枚の紙をとり、女性に差し出す。女性はそれを受け取り、それを見た時だった。
「…ッ!?」
闇の中に隠れた彼女は、一瞬喉が詰まったような感覚を覚えた。
「どうした?もしや、知っている顔だったか?」
「…いえ、知らない顔です」
男が不思議に思って尋ねてきたが、女性は平静さを装った。
「そうか…まぁよい。私の期待を裏切らないでくれよ?」
「了解、任務に当たります…」
女性は男から手渡された紙を自分の胸元にしまい、立ち上がってその部屋を去って行った。
事件から日が開けた。
新たに結成された、ハルケギニア初の防衛チーム、その名も『UFZ(ウルティメイトフォースゼロ)』。城での停泊を許され、自分たちの疲れを癒した彼らは、さっそくある任務を任されることとなった。
玉座の間にて、言い渡された、UFZ初の任務。それは…
「なんでこうなったのかしらね…」
ルイズはため息交じりに呟いた。実は今、彼らはとても国や世界の未来を担うこととなるチームが行うものとは言い難い場所にいたのだ。
そこは…
劇場。
そう、演劇を行い、大衆に見せる娯楽の場所である。
「ほらそこ、声が小さいわよ。そしてそこ!無駄な動きを出さないで」
「は、はあい…」
「…大声、出すの苦手」
金髪のショートカットの女性からの怒声に情けない声を上げるギーシュと、苦手分野を口にするタバサ。
「小さい声でお客様の耳に届くと思ってるの?喉からじゃなくてお腹から声を出すようにすれば、おのずと大声が出せるし、喉を潰さずに済むわ。さあ、始めなさい」
その女性はどうやら、劇場の支配人のようだ。稽古中の彼らに厳しく指摘を入れる。サイトは彼女の鬼コーチのような指導の熱の入りように驚かされる。
「うはぁ…○塚もあんな感じだったりするのかな…」
○塚のことなんて何一つ知らないくせにそんな評価を下したくなったりする。
「もぅ…妖精亭のときといい、今といい…なんで私がこんなことを…」
「同感ね。大げさに体を動かされるし、声を大きくしないといけないし」
ルイズも、どうしてこの場に居るのかよく分からず口をこぼす。モンモランシーも慣れない運動にかなりくたくたの様子だし、キュルケもキュルケでつまらなそうなリアクション
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