暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
胸騒ぎ-センス・オブ・パニック-
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トの前へ歩きながら、飄々とした口調で言う。女に対して甘い言葉とスマイルを向けて簡単に落としてしまいそうなその男は、やはりどこか怪しい雰囲気を出している。
スカした笑みの奥に、いったい何を考えているのか。
でも、一つ予想がついていることがある。
「…そういえば、お前にはまだ聞いてなかったよな」
「なんだい?」

「あの時ゴモラを操ってたのはお前だろ?」

それを聞いて、ジュリオは特に驚くようなそぶりはなかった。寧ろ、あらかじめこうなることを予想していたような、すでにばれてしまうのを覚悟していたかのようなリアクションだった。
「どうしてそう思ったんだい?」
「でなけりゃ、あんな凶暴な怪獣の傍にいたルイズたちが無事で済むはずがねぇ。ルイズやアニエスさんたちは、ゴモラの気まぐれに助けられたって思ってたみたいだけどな」
それは最もな話だった。なにせゴモラは初代ウルトラマンを苦戦させたほどの怪獣。たった一体でも十分ウルトラマン匹敵する力を持つということだ。
「さすがは異世界人、ってところかな?」
すると、ジュリオは特にまずいといった様子も見せず、にこやかに笑って肯定した。
「そう、僕は怪獣を操ることができるのさ。ゴモラは僕の相棒ってわけ」
そういってジュリオは懐から一つの、二本の角をイメージした突起が施されている機器を見せる。
「これは『ネオバトルナイザー』。怪獣を保管するマジックアイテムみたいなものさ。普段はここにゴモラをしまっているんだ。
なぜ怪獣を扱えるか気になるだろ?それはね、この力を授けてくれたのは僕を召喚したお方…教皇様だからなんだよ?」
教皇が、ジュリオに怪獣を使役する力を与えた。そのパターンに、ルイズは何か覚えがあった。
「え?じゃあ、まさか…」
いや、あるもなにも…自分たちのことだ。それに気づいた彼女の中に、確信とも言える予想が立った。
「そう、君たちと同じだよ、サイト君」
ジュリオは右手の白い手袋を脱ぐと、その手の甲に刻まれた、あるものを見せた。

「僕もまた、虚無の使い魔の一人なんだ。その名は…『神の笛・ヴィンダールヴ』」

そこに刻まれていたのは、サイトのガンダールヴのルーン、そしてシュウの胸に刻まれていたルーンと非常によく似たルーンだった。
「ヴィンダールヴは、あらゆる獣たちと心を通わせ使役する力を持つ。それは、怪獣とて例外じゃないのさ」
「ずいぶん、俺たちにぺらぺらと話すんだな」
サイトは思いのほかいろいろしゃべってきたジュリオに細い視線を向けながら言う。
「これから一緒に戦う仲間だからさ。自分たちのことくらいは明かしておかないと信用されないと思ったまでのことだよ」
「…信じていいのか?」
「信じてほしいから、僕のことを話したのさ。怪獣という恐ろしい生物を使役している、僕のことを
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