胸騒ぎ-センス・オブ・パニック-
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いう人間を知るものなら誰にでも予想できた光景であったが。こんな彼氏に振り回され、モンモランシーも大変だな…とレイナールはため息を漏らした。
「そういうお前さんだって女の子にモテという願望はあるだろ?」
すると、壁にかけられていたデルフがレイナールを茶化してきた。
「な!僕はそんな不純な動機は…!」
「おいおい、いくらなんでも動揺しすぎなんじゃねぇか?」
「なんて生意気な剣だ…君の持ち主に内緒で売り飛ばされてもいいのか?」
「おっと、そいつは勘弁だな。悪い悪い。戦うとき以外はどうしても暇でよぉ…これくらいは許してくれや」
退屈しのぎのつもりか。なんだこの剣は。あの平民の彼はこんなうっとおしい剣を振るってたのか。レイナールは頭が痛くなった。
「あれ、ところであの…ヒリガル・サイトーン…だっけ?あいつはどこに行ったの?」
ふと、本当ならこの部屋にサイトの姿がないことに気付く。
「ヒラガ・サイトだ。マリコルヌ、一緒に戦う仲間の名前を間違えてはならないぞ」
「ギーシュは彼を何かと高く評価するよな。それも一度決闘したからか?」
二人はまだサイトのことをよく知らない。だから本当ならこの部屋に入れることになった彼の存在はまだ異質に感じていた。それもあってギーシュがサイトを認めている姿勢もまた異質に見えていた。
「それだけじゃないさ。僕と彼はこの舞台に入る前から一緒に戦ってきたことがあるし、その度に彼の雄姿を見届けてきた。彼は平民だが、実力も精神力も油断ならないし、認めざるを得ないほどのものだよ」
「ギーシュが言うとあまり信憑性がないような…」
「失敬な!僕にだって人を見る目はあるぞ!」
(女の子に見境がないくせによく言うよ…)
マリコルヌから軽く馬鹿にされたギーシュは憤慨する。対してレイナールは口には出さなかったがギーシュに対して一言ツッコミを入れる。とはいえ、まだ心身共に未熟さが露骨なギーシュだから仕方ない。
「で、彼はどこに行ったのさ?」
「彼なら銃士隊の副長殿に呼び出されたよ」
銃士隊の副長?確か、ミシェルとかいう女性だろうか。ギーシュは記憶を巡りながら、ミシェルの顔を思い出す。一度見た女性の顔と名前はしっかり覚えているのだ。
この部屋に案内された時、サイトはなぜかミシェルからいきなり「話があるからついてこい」というと、無理やり彼を引っ張って行ってしまった。
(やれやれ、ルイズにキュルケ、シエスタ…それに続いてあの銃士隊の副長殿か)
サイトの身に降りかかるであろうことに、モテる経験を持った男同士、どこか同情したが、相手はどう見ても性格的にきつそうな相手だからサイトにとってはあまり喜ばしくはないのではないだろうか。でも、女性と一緒にいて特に損することはないし、最近自分の女の子からの風当たりが悪くなってきた気がするので、寧ろ羨
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