胸騒ぎ-センス・オブ・パニック-
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ルイズに進言する。
「ハルナ、一人でこんな時間に城でうろつかない方がいいわ。明日にしなさい」
「はい…」
ハルナは残念そうに肩を落とした。そんな顔をされると自分が悪いことをしたみたいだからやめてほしい。ルイズは口に出したくなったが、言っても仕方ないことだとわかっていたので黙った。
(…ハルナがここまで会いたがるなら、サイトも…)
緊急の事情があるときは忘れていたが、サイトも本当なら自分とではなく、ハルナと過ごしたがっているのではないだろうか?そして、以前から言っていたように彼もいずれハルナと共に帰ることを目的としている。その意志は、たとえ彼の主という立場にある自分でも縛ることはできない。必ず約束までしたのだから当然だ。
だけど………気が付くとすぐサイトに構いたくなっている自分がいた。約束をそっちのけに、素直に認めるにはあまりに恥ずかしいことだが、彼と一緒に過ごしたがっている自分に気付いていた。
(私は、結局どうしたいんだろう…?)
「怪獣と異星人対策のために新設された防衛組織、その隊員に加わることになるなんてな」
男子用に用意された客室にて、部屋の椅子に腰かけたレイナールが窓の外に見えるトリスタニアの夜景を眺めながら呟いた。
「これから学院の方はどうなるんだろう?」
マリコルヌが言う。本来この時期、自分たちは学院に戻り、2学期の授業に備えているはずだった。それがまさか、突然星人に攫われただけでなく、救出直後に国を守るための戦闘部隊入りを果たすことになろうとは予想もしなかった。
「なってしまったものは仕方ない。それに僕たちは女王陛下から直々に申し込まれたんだ。大した理由もなくこれを断ったら、実家の父上たちに会わせる顔がないだろ」
「その割にはレイナールって陛下に理由とかを聞いてたじゃないか」
マリコルヌからの切り出しにレイナールは言い返した。
「それとこれとは話が別だ。僕たち個人の力なんて、怪獣やあの異星人共と比べてどれだけの力の差があると思ってるんだ。陛下の方でも軍を再編しているか、それを聞いて納得しておきたかったんだよ。僕だって、自分の国があんなデカいだけの獣たちに蹂躙されるのを黙って見過ごせるわけないだろ」
「おぉ、よくぞ言ったレイナール!学友として誇らしいぞ!」
アンリエッタに対して、自分でも図々しいとはわかっていても意見を入れずにはいられなかったレイナールだが、それは故郷を捨ててまで命がけの戦いから逃げるための姿勢では決してなかった。寧ろ彼も、自分の祖国を守りたいという信念を言葉に乗せてきた彼にギーシュは感動した。
「しかし、新設部隊の仲間入りとは!学院に戻ってきたとき、女の子たちの憧れの眼差しが目に浮かぶよ!」
「下心丸出しだな…」
…モンモランシーの予感は的中した。最も、ギーシュ・ド・グラモンと
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