胸騒ぎ-センス・オブ・パニック-
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覚えた。
ドクンッ…!
ドクンッ…!!
なんだろう、何か…何かが湧水のように湧き上がってくる。それも真っ黒に染まった、何かが…。
しかし、その時ガチャ、と扉の開く音が聞こえてきた。
「ッ!」
「待たせちゃったわねハルナ。一人で退屈じゃなかったかしら?」
我に返ったハルナが振り返ると、ルイズにキュルケ、そしてタバサの三人と、彼女たちを案内したアニエスの姿があった。アニエスはすぐに「さわがないようにな」と一言念を押して扉を閉めて姿を消した。
「お、お帰りなさいみなさん」
「どうしたのハルナ?もしかして今入ってきたらまずかった?」
「い、いえ…そんなことないです…」
さっき自分の体に起きた異様な感覚に対する戸惑いが残っていたが、何もないふりをした。
「そお?」
気にしないでほしいと言っている割に、ハルナはどこか挙動不審だ。だが思い当たるようなこともなく、キュルケは気にしないことにした。
タバサはすぐに部屋の奥の方のベッドに腰掛け、さっそく本を読みだしていたが、ちらっとだけハルナの方を見たが、すぐ日本の方に視線を向け、誰も彼女の視線に気づかなかった。
「まったく、ギーシュったら…人の気も知らないで危ないことに首突っ込むんだから…」
モンモランシーはタバサの傍らに座り、愚痴をこぼしていた。
「あら、モンモランシー。あなた乗り気じゃないのに参加するの?陛下が編成する新しい部隊に」
耳を傾けてきたキュルケが興味を示してきた。
「仕方ないでしょ?あいつを抑えられるの私だけなんだもの。私の目の届かないところで色目を使ったりとかしないか心配だし…」
ジュリオに見惚れてしまったとはいえ、なんだかんだでギーシュのことが放っておけなかったのが伺える。だが、この先怪獣や異星人という危険な存在に自ら立ち向かう姿勢を見せた恋人が余計に心配になってきてしまったに違いない。
タバサはモンモランシーの愚痴に興味はなかったのか、読書に集中するためにサイレントの魔法をかけ、自分の耳には誰の声も届かないようにした。
「ところで平賀君は?」
ハルナは珍しくルイズと一緒じゃない、しかもここにサイトが来ていないことが気になった。
「今日は男子たちを止める部屋に留まらせることにしたわ。この女もいるし」
親指で自分の後ろに立っているキュルケを差しながらルイズが答える。
「なによぉ、ルイズったら。私がいるからってその言い方はないんじゃなくって?」
「当たり前でしょ。ハルナはともかく、あんたみないなのとサイトを一緒にしてたまるもんですか」
「はいはい」
信用されていないが、これもいつものことなのでキュルケは気にしないで置くことにした。
「私、ちょっと見てきてもいいですか?」
サイトの顔を少しでも多く見ておきたかったハルナは
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