第二十四話 決闘
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で人間が精霊の様に『水化』出来るとは到底思えない。
『水化』の魔法自体は昔から良く知られていて、一種の戒めとしてハルケギニアに知られる有名な逸話があった。
かつて大メイジと呼ばれた男が、マクシミリアンと同じように『水化』の魔法を編み出し、実験として『水化』を唱えたことがある、だがその男は水に変化する事には成功したが、精神力切れを起こし気絶、意識が戻る事無く永遠に水のままだった。
という話だ。
ジャコブはその逸話を思い出した。
理論は出来ていても、実践すれば、たちまち精神切れを起こす机上の空論。
ハルケギニアの全メイジを見渡しても、マクシミリアンにしか出来ない秘術。水化して元に戻る事ができる魔力無限の能力が可能にした、正に『秘法』だった。
とは言え、問題もあった。
「今の僕じゃまだ未熟でね、身体の一部分しか水化できないから、どの部分が狙われるか迷いに迷ったけど……最後はジャコブ、君のプロ意識に助けられたよ」
マクシミリアンは、杖で頭の弾痕を突くと波紋が顔中に広がり見る見るうちに弾痕が塞がった。
「プロ意識の高いジャコブなら、確実に仕留める為に頭を狙うと思っていたからね」
「……」
黙ったジャコブにマクシミリアンは、止めを刺そうとルーンを唱えると、遥か市街地で大爆発が起こった。
「!?」
マクシミリアンやウォーター・ボール全基が、ほんの一瞬、注意を市街地に取られると、ジャコブはチャンスとばかりに逃げ出した。
「ああっ!? ウォーター・ボール!」
ウォーター・ボールに指令を出すと、ウォーター・ショットで逃げるジャコブを撃った。
しかし、怪我を負いながらも巧みに避け続けたジャコブは、屋敷の外へ出ると『エア・ハンマー』で石畳の地面を破壊した。
ぽっかり開いた地面の下は下水道になっていて、勢いよく汚水が流れていた。
ジャコブは躊躇する事なく汚水に飛び込んだ。
「あいつ……!」
ジャコブを追って穴の近くまで来たマクシミリアンは、ぽっかり空いた穴を覗き込むと漂う異臭に顔をしかめた。
「臭いはともかく、流れが早すぎる……このままでは逃げられるぞ」
数秒ほど考えて、マクシミリアンは杖を振るった。
「ひどい、死に方をしてもらう!」
……
一方、下水の流れに乗って逃亡に成功したジャコブは、逃走した後のプランを練っていた。
「何処かで傷を癒した後、外国でほとぼりが冷めるのを待つ……まぁ、当初の予定通りだな」
そう言いながら流れに乗っていると、身体中がチリチリと痛い。
「うくっ……早く傷を癒さないと」
ジャコブは、チリチリする痛みは傷から来る痛みかと思っていたが、時間がたつにつれ、
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