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水の国の王は転生者
第二十四話 決闘
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ウォーター・ビット1基が物陰から出てウォーター・ショットを放ったが、エア・バレットで撃ち抜かれ、ウォーター・ビットは水に戻って床を濡らした。

(他のウォーター・ビットは、まだ帰ってこないのか……くっ)

 襲撃の為、出て行った6基の『ウォーター・ビット』はまだ帰ってこない。

「ラグーズ・ウォータル・イス……」

 マクシミリアンはルーンを唱える。

『ウィンディ・アイシクル!』

 無数の氷の矢がジャコブに襲い掛かった。

「ははっ……はははっ!」

 しかし、ジャコブは直撃コースの『ウィンディ・アイシクル』を『エア・バレット』で迎撃、傷一つ負わせる事も出来なかった。

「まだまだ! ……エア・カッター!」

『エア・シールドッ!』

 無数のエア・カッターは空気の壁に阻まれた。

「ならばこれで!」

 マクシミリアンはクリエイト・ゴーレムで、上半身は重騎士、下半身は軍馬の3メイル程の人馬ゴーレムを作成した。
 人馬ゴーレムは、左に盾を構え右に大型ランスを脇に抱える様に持ち、ランスの穂先をジャコブへ向けた。

「チャアアアァァァーーーージッ!!」

 マクシミリアンの号令で人馬ゴーレムは瞬時に加速、ランスチャージを敢行した。

『エア・バレット!』

 ジャコブのエア・バレットが人馬ゴーレムに当たったが、表面を数サント程削っただけだった。

「な!?」
 
 ジャコブはランスの穂先と巨弾と化した人馬ゴーレムを避けると、すれ違いざまに両前足の関節部分を打ち抜いた。

 前のめりに倒れた人馬ゴーレムは、調度品を巻き込みながら壁に激突すると、大量の瓦礫に埋まってしまい起き上がることが出来なくなった。

「危ない危ない……水、風、土、次は火の魔法ですか?」

「……」

 マクシミリアンは無言で返した。
 実はマクシミリアンは火の魔法がまったく使えない。
 いくら、特訓してもうんともすんとも反応が無いのだ。
 水はスクウェア、風はトライアングル、土はラインが、現在マクシミリアンが使える魔法だ。

「ふっ!」

 マクシミリアンは『エア・ハンマー』のルーンを唱えたが、ジャコブは難なく退けた。

 その後も、次々と魔法を放つがジャコブは巧みに退ける。
 絶望的な技術の差を補う為に火力と手数で勝負するものの、決定打を与えられない。

「しかし殿下、あれだけ魔法を連発しても精神力切れを起こさないのは、異常ですな」

「伊達に天才なんて言われてないからね! さぁ! コイツは強烈だぞ!」

 と、ウォーター・ショットのルーンを唱えた。
 マクシミリアン本人が唱えるウォーター・ショットは、ウォーター・ビットが放つ細い線の様なものではなく、まるで大砲
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