機動戦艦ナデシコ
1275話
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客の姿が疎らだからこそ俺とルリの姿は目立ち……
「おや、珍しい組み合わせだね」
厨房の方からホウメイがそう告げた。
「ちょっとそこで一緒になったんでな。それより、これ頼む」
「お願いします」
「あいよ。すぐに作るから待ってておくれ」
そう告げ、食券を受け取って早速厨房での調理に掛かる。
そして俺とルリは何となく成り行きで一緒の席に座って料理を待つんだが……
奇妙な沈黙が周囲に満ちており、微妙に居たたまれない気分になってくる。
「アクセルさん」
「ん? どうした?」
その沈黙を破ったのはルリ。
ただ、この表情を見る限りでは、別に沈黙に耐えられなかったとか、そんな風には見えないけど。
「アクセルさんはどういう人ですか?」
「どういう人って言われてもな……こういう人としか言いようがないが?」
「……そうですか」
うわ、話が終わってしまった。
霞も同じような無口系少女だけど、それなりに会話は弾むんだけどな。
それは夕呼とか、共通の話題が多いってのも関係しているのか。
「それにしても、まさかナデシコにルリみたいなこど……いや、少女が乗ってるとは思わなかったな。本当に今更だけど」
「そうですか? ……そうかもしれませんね。ですが、私はナデシコに乗れて良かったと思っています。オモイカネとも会えましたし」
「オモイカネ? ……ああ、ナデシコのAIだったな。俺が知ってるのと比べると、随分と高性能だけど」
そう告げると、少しだけ……本当に少しだけだが、ルリの口元が弧を描いたような気がした。
余程そのオモイカネってのを気に入ってるんだろう。
そこから少しずつだが言葉を会話していく。
ホウメイが料理を持ってきたのは、そんな会話が数分続いた頃だった。
「はいよ、お待ち。ゆっくりと味わっていっとくれ」
そう言いながら差し出されたのは、野菜サンドとピザトースト、フライドポテト。
どれも料理と呼ぶには簡単に出来る代物だったが、だからこそ料理人として一手間加えているのだろうというのは、ホウメイの様子を見ると何となく理解出来た。
そのまま厨房へと去って行くホウメイを見送り、俺とルリはお互いに自分の料理へと手を伸ばす。
フライドポテトは外はカリッとした食感で、中はホクホクの芋の食感がいい。
ピザトーストも、薄切りにして乗っているウィンナー、タマネギ、ピーマン、マッシュルームといった具材と、それを覆っているチーズが非常に美味い。
ホウメイの事だから、ナデシコ食堂で使われているピザーソースも市販の物ではなく手作りなのだろう。
「随分と美味しそうに食べますね」
ふと気が付けば、ルリが俺の方へと視線を向けながらそう話し掛けてくる。
手に持
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