機動戦艦ナデシコ
1275話
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が、それでもある程度は仲良くなっておいた方がいいだろうと判断して話し掛けてみたが、予想外な事にルリは特に嫌がるような表情も見せずに頷きを返す。
「はい。便利なので」
「便利ってな……こういうのは確かに時々食いたくなるけど、栄養的には色々と問題あるぞ?」
勿論中には健康に留意しているハンバーガーとかもあるのかもしれないが、まさか自販機で買えるハンバーガーがそこまで気にしている筈がない。
「大丈夫です。栄養はきちんとサプリメントで取ってますから」
「……あのな、食事ってのはそういものじゃないだろ? きちんと味を楽しむべきものだ」
特に俺の場合、食事というのは健康に何ら影響しない。いや、腹の中に入った瞬間に魔力に変えられるから決して無駄って訳じゃないんだろうが。
それだけに、俺の中では食事というのは味を楽しむ娯楽という一面が強い。
「栄養上で問題はないのですから、私としては構わないのですが」
「……初めて俺に会った時、子供じゃなくて少女ですとか言ってたが、少女ってのは普通自販機で買った味気ない食事で済ませたりはしないぞ」
少なくても俺の知ってる少女と呼ぶべき面々は食事を楽しむ面子が殆どだ。特に元3-Aの生徒達なんかは、四葉がクラスにいたおかげか食事に関しては貪欲だった。
「そうなんですか?」
言葉の真偽を確かめるように視線を向けてくるルリに頷きを返す。
食事と少女。どちらを重視するのか迷ったようなルリだったが、やがて少女の方に軍配が上がったのだろう。渋々とではあるが、自販機から離れる。
「どうだ? 俺はこれから食堂に行くけど、一緒に行くか?」
「……はい」
へぇ。てっきり断られるかとばかり思ってたけど、予想外に頷いてきたな。
まぁ、それならそれでいい。1人で食事をするってのも味気ないし。
そんな訳で、俺はルリと2人で食堂へと向かう。
食堂までの道のりはお互いが特に話す事もなく、無言で歩く事になってしまったが。
そうして食堂へと到着すると、メニューを選ぶ事になる。
ガラスケースに飾られているメニューの中からピザトーストとフライドポテトを選択。
ルリはと視線を向けると、野菜サンドを選んでいた。
「少女ですか?」
「あー……そうだな、うん。野菜サンドはどちらかと言えば少女っぽい食べ物だな」
「そうですか、少女ですね」
俺の言葉に満足そうに頷くルリ。
ハンバーガーと野菜サンドだと微妙に似た感じに思えるが、それでも栄養価的に考えれば大分違うだろう。
当然味も自販機のハンバーガーと、コック手作りのサンドイッチでは違う筈だ。
そんな訳で食券を買って食堂の中へと向かう。
やはり時間が時間な為だろう。食堂の中に客の姿は疎らだ。
そして、
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