機動戦艦ナデシコ
1274話
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喧嘩……痴話喧嘩? まぁ、似たようなもんだろうし、その痴話喧嘩の様子を窺う。
『まだユリカの騎士だってきちんと決まってる訳じゃないだろ。それは、別に俺だけの役目って訳じゃない』
『それも……ナデシコでは自由だって言いたいのか?』
『ああ。それに、何か勘違いしているようだけど、別に俺はユリカの事なんて……』
『え? もしかして君には他に?』
『どうなんだろうな。まだ俺自身はっきりとは分かんねえよ。その人だって他に気になる相手がいるみたいだし』
『そうか。……君も苦労してるんだな』
『お前の方が苦労していると思うけどな。ユリカとずっと一緒に行動してきたんだろ? あいつの行動に振り回されてばかりだったんじゃないか?』
『それは……でも、それが楽しかったのも事実なんだよ』
うん? 何だかいつの間にかすっかりと和解している。
こっちとしては嬉しい限りなんだが……何か、夕日の下の河原で殴り合って、やるな、お前もな的な展開のように思えなくもない。
ともあれ、こっちとしては後ろで妙な真似をされないで済むというのは助かる。
『アクセルさん。ミサイル、来ます』
相変わらずのルリの冷静極まりない……というか、感情が殆ど乗っていない声が響く。
その通信を聞き、映像モニタの方へと視線を向ける。
すると、そこにはやがて無数のミサイルが映し出された。
そのミサイルの数は、100発を優に超えている。
このミサイルだって無料じゃないだろうに。それをここまで大盤振る舞いするのは、それだけナデシコとミロンガ改を欲しているという事か。
いや、正確にはこっちの勝手を許したくないってのが正確なところか?
ともあれ、幾ら無数のミサイルを撃ってきても、一方向からだけであればこっちとしては全く問題ない。
ナデシコの進行方向にミロンガ改は存在し、そのままジャマーを起動。
すると次の瞬間には、こっちに向かっていた全てのミサイルがあらぬ方向へと逸れていく。
……100発を越えるミサイルの全てが逸れていくってのは、ある意味見物だな。
そうしてナデシコが進み続ける。
軍事衛星を操作しているのが誰なのかは分からないが、今の光景は余程意外だったのだろう。ナデシコが軍事衛星の近くを通っても、全く反応がなくなっていた。
もしかして、実は自動操作とかだったりしないだろうな?
いや、軍事衛星からのミサイルは、下手をすれば地上に降り注ぐ可能性もあるんだから、人が操作しているとは思うんだが。
『アクセルさん、また来ます』
ルリの声に視線を軍事衛星の方へと向けると、そこでは再びナデシコに向かってミサイルが発射されていた。
やっぱり自動操作とかじゃなくて、きちんと人が動かしているな。
軍事衛星がぼけっとしている間に
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