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【ダンまち】案外忘れられがちな超人作品出身のモブがオラリオに来たら
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行罪で現行犯逮捕だ!!神妙にお縄にかかれーッ!!」

 エイナは思わず目を覆った。確かに暴力は罪になるが、ギルドには余程の事がない限り冒険者を捕縛する権利を得ないし、そもそも冒険者を非力な非冒険者集団のギルド職員が捕まえる事は無理だ。こっちは平凡な人間で、あっちは神の加護を受けた超人。庸太が逮捕に失敗するのは目に見えていた。

 が。

「イデデデデデ!?わ、わかった!もう弱い者いじめはしねぇ!しねぇからもう勘弁してくれぇ!!」
「馬鹿野郎!!悪いで済んだらギルドはいらねぇ!いいか、今回は一回目だから牢屋にぶち込むのは勘弁してやるが、次があったときはてめぇのファミリアごとペナルティだ!!こっちは顔も所属も覚えてんだから隠れて悪さ出来ると思うなよッ!!」
「ヒィィィッ!!い、いつからギルドはこんなにおっかねぇ組織になったんだ!?」

 庸太は危なげなく三人を捕縛し、冒険者がビビるほどの剣幕で叱りつけてしまった。しかも、非常に手慣れた様子で抵抗する武装冒険者3人同時に危なげなくなくだ。この時、エイナは「まさか」と思った。ギルドは中立を保つために、既に神の眷属である人間は入れないことになっている。つまり、彼は神の加護を欠片も受けていない純然たる一般人である筈だ。
 それが、人間では太刀打ちできないダンジョンの魔物を毎日相手にする冒険者を上回るなどあり得ないのだ。これこそ神の加護無しに戦った「古代の英雄」でもない限りはありえない。そんなあり得ない存在が――庸太だったのだ。

 これは大問題になった。先にも言った通り、ギルドは一切のファミリア的実働戦力を持たないことを条件に、この街を統括する事を許されている。そこに冒険者並みの戦闘能力を持った存在がいることは、それ自体が問題なのだ。
 当然こんな大ニュースを好奇心旺盛な神々が見逃すはずもなく、釈明会見で背中を見せたり経歴を聞かれたり色々と大変な事になった。なお、転職しないかと神々が言い始める前に「悪人をしょっ引くのは本能です。神であろうとしょっ引きます」と堂々宣言したため、スカウトの声はきわめて少なくなった。

 その後も彼は指名手配犯を捕縛したり、街中に逃走したモンスターを捕縛したり、「強くなりたい」などと供述しながら襲撃してきたヴァレンシュタイン氏を捕縛したり(ヴァレン何某は厳重注意の後釈放されました)と明らかにギルドの仕事でないことをやりまくり、ついたあだ名は「不良職員」。当人は仕事も含めて非常に誠実な人物なのだが、荒事に関わりすぎたせいでそんな扱いだ。

 そして本日も彼は平常運航だったのだが――流石にこの結果はエイナも驚いた。

『フレイヤ様の命により、貴様の実力を試させてもらう』
『……悪さを働くんならこの場で召し取るぞ?』
『貴様に出来るのならば――やってみるが
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