番外編 〜最期〜
あたしの望み
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『隼鷹。俺と一緒に……人生を歩んでくれないか』
嘘つき。
『隼鷹は俺の天使! マイスイートハニー隼鷹!!』
一緒に人生を歩いてくれるって言ったじゃん。
『隼鷹!! 愛してル!! ……だカラ……絶対ニ沈むなぁああアアア゛ア゛!!!』
あんたが先に死んでどうするの……あんたが隣にいないと……あたしは……
おびただしい数の敵艦隊に包囲された絶望の状況の中、あたしはそれ以上の絶望に突き落とされ、呆然と空を見上げて提督の残滓を探すことしか出来なかった。
この防衛戦において、提督は私たちと一緒に最前線で指揮を取ることに固執したが、それをあたしたちは拒否した。
「隼鷹……俺はお前たちと一緒に戦いたいんだ」
「ダメだよ。指揮官が前線に出て万が一死んだら、勝てる戦いも勝てなくなる」
「……」
「提督、あたしたちはね。ただ守るためじゃないんだ。球磨も北上も加古も、守るだけじゃなくて、生き残ることを考えてるんだよ」
「……わかった」
最終的に提督は渋々執務室での指揮を呑んだ。これで提督は守れる。あたしが沈んでも、あたしが愛する男はこれで守ることができる……その時はそう思った。
だが実際の戦闘はそう甘くはなかった。執務室で指揮を取っていた提督は、戦闘が始まってまもなく、三式弾の雨に射たれた。対策は万全だったはずだが……資金に乏しく設備の維持管理に難があったためか……執務室は三式弾の雨で崩壊し、中で指揮を取っていた提督を容赦なく潰し、焼いた。
私の耳にこびりついて離れない、愛する男の断末魔の通信……提督は、自身が焼け爛れていく苦しみを緩和することよりも、あたしへの気持ちを吐露することに全力を傾けた。
『熱い! 熱い!! ァァァアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!』
「提督!!! 今助けに行くから!!! 提督!!!」
『来るナァァァァァアア゛ア゛ア゛!!!』
「提督!! あたしが行くからそれまでは……」
『聞け!!! 隼鷹!! ジュンヨウ!!!』
「は、はいッ」
『隼鷹!! 愛してル!! ……だカラ……絶対ニ沈むなぁああアアア゛ア゛!!!』
「提督!! やめてそんなこと言わないで!!」
『ジュンヨウ! ……ジュンヨ……ジュンヨウ……』
提督……あんた言ったじゃん。『一緒に人生を歩んでくれないか』ってあたしを誘ってくれたじゃん……なのになんであんたが先にドロップアウトしてんのさ……残されたあたしはどうなる……どうすりゃいいんだあたしは……あんただから受け入れたんだよ? あんただから、一緒に歩こうって思えたんだよ?
球磨と北上の怒号が響き、加古をはじめとする砲撃音が周囲の空気を揺さぶる……これだけの喧騒なのに、空はキレイで静かだ。
大空に、愛する男の
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