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鎮守府の床屋
番外編 〜最期〜
同じことが出来た
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……狭くなった視界で空を仰ぐ。私の顔を覗きこむ、懐かしい古鷹の笑顔がそこにあった。

――加古

「古鷹……私、あの時の古鷹みたいに……がんばれたかな……?」

――うん 加古ががんばってくれたから 
  隼鷹さんも、みんなを呼ぶことができたんだよ?

「そっか……幻じゃないのか……」

 狭くなった視界に古鷹と共に写ったのは、大空を飛び交うたくさんの艦載機と、懐かしい空母たちの顔ぶれだった。そっか……隼鷹は、艦載機じゃなくてみんなを呼んだのか……懐かしいみんなを、呼んでくれたのか……

「だからあんなに……たくさんの……艦載……機が……そっか……」

 大空を飛び交う艦載機に手を伸ばす。はるか上空を飛んでいるはずの艦載機に手が届きそうで……でも決して届くはずもなく、掴もうとした私の手は、何も掴むことが出来なかった。

 古鷹、なんかすごく眠くなってきた。

――そっか……加古、がんばったもんね

 うん……どうしてだろう。古鷹が沈んでいった時はあんなに怖かったのに、今自分の身体が沈んでいくのは全然怖くない。むしろ満ち足りた気持ちで眠ることが出来る。

「古鷹……いつもみたいに、私達が大好きな桜の木の下で、今日も一緒に寝ようか……」

 私を見下ろす古鷹が、泣きながら満面の笑みで何度も頷いてくれた。不思議だな……古鷹の膝枕で眠るのは随分久しぶりのはずなのに、まるで昨日も一緒に寝たような感覚がする……

「加古!!」
「沈んじゃダメクマ!! みんなで帰るんだクマ!!」

 うるさいなー……これから古鷹と一緒に昼寝するんだから邪魔しないでよ球磨……それに私、大好きなあの場所で、古鷹と一緒に寝るだけさ。それぐらいいいじゃん……寝かせてよ北上……

「加古……ありがと……またあとで……」

 うん。ちょっと寝たらまた会いに行くよ隼鷹。

「あ……ハルごめん。枕もう使わない……」

 フとハルにもらった枕のことを思い出した。困ったことに、ハルの枕はもう二度と私は使わないであろうことに気付き、胸がチクリと傷んだ。

――ハルさんに悪いことしちゃったね

 いいさ。次会った時、私が謝るよ。なんとなくだけど、ハルならきっと許してくれる。『そら姉ちゃんの膝枕には負けるわ』って笑ってくれるよ。ただ、謝るのはずっと先の話になるだろうけれど……

――ごめんね 守ってあげられなくてごめんね
  膝枕しか出来なくてごめんね

 古鷹が謝ることなんて何もないよ。それに、私は満足してるんだ。隼鷹を守って……あの時の古鷹と同じことが出来て、それでまた古鷹と一緒に眠れるんだ。こんなにうれしいことはないよ。沈んでいく身体に感じる、海の冷たさも心地いいぐらいさ。心地よくて眠くなってくるほどに、私は今気持
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