番外編 〜最期〜
同じことが出来た
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
敵の数は多すぎる。すべてのヘイトを二人に向けることは不可能な以上、あぶれた敵は私が始末するしかない。砲撃をされれば……
「……チッ!!」
私は一瞬の隙をついて隼鷹に向けて放たれた砲撃を……
「ぐあッ……」
「加古……!」
私の全身で受け止める。隼鷹が召喚術に集中出来るよう、守らなければ……もし隼鷹が中破でもして召喚術が不可能になったら、この戦いを生き延びることは不可能だ。
「……大丈夫。あんたは私が絶対に守りぬく。だから早く艦載機を呼んで」
「……分かった」
1発の砲撃を許してしまったその隙をついてさらに、隼鷹めがけて砲撃の雨あられが襲いかかった。私はそれを、全身で受け止める。たとえ1発でも、絶対に隼鷹に届けさせはしない。
「やめるクマ!!」
「加古を狙うやつはやっちゃうよ!」
私に砲撃を敢行するやつらを次々に撃沈していく球磨と北上だが、敵の数があまりに多すぎる。砲弾の雨あられは一向に止まない。次々に撃たれた砲弾は私の身体に食い込み、傷を作っていった。
「古鷹……」
つい、口をついて出た。今の私と同じように、一切の砲撃を私に着弾させることなく、すべてをその身に受けて轟沈した古鷹……あんたも、今の私と同じ気持ちだった……?
――そうだね きっと同じだったと思うよ
そっか……へへ……なんかうれしいな……
敵の砲撃は未だ止まない。隼鷹は一心不乱に召喚術の詠唱をしている。
「?!」
私の左目に徹甲弾が飛んできたのが見え、私は反射的に頭を動かしてしまった。徹甲弾は私の左目のまぶたをかすめて皮膚を破り、私の目からは大量の血が吹き出た。
――古鷹?! 大丈夫?!
大丈夫。古鷹と同じ左目に傷が入ったんだ。これで私も、オッドアイになれるかな……
こんなことをぼんやりと考えている間も、私の身体には容赦なく敵の砲撃が突き刺さる。あの時の古鷹のように、私は絶対に隼鷹を守りぬく。あの時古鷹に助けられた私が、今度は古鷹と同じ方法で仲間を守れていることが、なんとなくうれしかった。
次第に身体に力が入らなくなり、視界が狭まってくる。私の視界の左半分はすでに潰れてしまっているが、そこからさらにぼんやりと狭まってくる視界の先には、古鷹がいた。
「古鷹……?」
私の視界の先にいる古鷹は、あの日のように私に背中を向け、身体を大の字にして、私を砲撃から守るように立っていた。砲撃はその身体をすり抜けて私の身体を傷つけていたが、古鷹の背中は、確実にそこに存在していた。
「古鷹……そこにいるの?」
――ごめんね加古 今の私じゃ、加古を守れない
そんなことない。今もこうして私を守ってくれている。私の心が折れないように、私の心を支えてく
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ