番外編 〜最期〜
同じことが出来た
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れにさらされた私と敵艦隊の間に立ちふさがり、私の代わりに敵の砲撃を一身に受け、轟沈した。
『古鷹!! なんで?! 逃げればよかったじゃん!! 私を置いて逃げればよかったのに!!』
『んーん……私は加古のお姉ちゃんだから……守りたかったんだ……』
『そんなの関係ないよ! 私のミスなんだから……!』
『えへへ……お姉ちゃんらしいこと……出来たかな……?』
少しばかり昔のことを思いたした後、再度隼鷹の様子を伺った。さっきまで魂の抜けた眼差しで空を見ていた隼鷹の目に、光が戻った。隼鷹は立ち上がって私のそばまで来た。その目はキッと前を向いていた。
「ごめん加古。待たせたね」
「もういいの?」
「ああ。今はやらなきゃいけないことをやるよ。提督とは、その後で会えばいい」
戦いが終わった後、隼鷹が何をするつもりなのかは敢えて聞かない。少なくとも今は隼鷹の目に光が宿った。それでいい。今はそれだけでいい。
「加古、頼みがある」
「ん?」
「あたしはこれから艦載機を召喚する」
「だね。空母はそれが……仕事だッ……!」
「制空権が取れれば、あんたなら観測射撃も出来る。それまでの辛抱だ。それまであたしを守ってくれ」
言われなくとも、すでにそのつもりさ隼鷹。球磨も北上も、生き残るためにその作戦で動いてくれてる。あとはあんたが艦載機を召喚してくれれば、それでこの作戦は完了だ。
「オーケー。隼鷹は召喚に専念して。私たちが指一本触れさせない」
「ありがと。恩に着るよ加古」
隼鷹が巻物を広げ、艦載機召喚の準備に入った。その様子が敵にも伝わったのだろうか。駆逐艦の何体かが隼鷹に狙いを定めたのが見えた。
「球磨! 北上!!」
「クマ?」
「ん?」
「隼鷹を守るよ! そいつらを頼む!!」
「「りょうかーい」だクマー!!」
隼鷹に狙いを定めた駆逐艦を撃沈する二人。二人は敵陣の真ん中でわざと注目を浴びて、隼鷹から注意を逸らさせる役目を引き受けてくれた。二人は敵陣のどまんなかで、球磨は砲撃で、北上は魚雷で次々と敵を撃沈していく。
一方、隼鷹のそばで私も砲撃を敢行し、敵を一体一体始末していった。いくら球磨と北上の二人が敵陣でヘイトを集めてくれているといっても、やはり敵にとって一番の脅威は、艦載機を多数召喚できる隼鷹だ。何体かは球磨と北上をすり抜け、こちらに砲撃をしてくる。それらを潰し、隼鷹を守るのが私の仕事だ。
「残りは私に任せて、あんたたちは敵陣を引っ掻き回すんだ! 隼鷹が艦載機を召喚するまで絶対に持ちこたえるよ!!」
「任せて」
「だクマッ!!」
こうして、召喚中の隼鷹を守ることに、私達は全力を注いだ。
数分の間、球磨と北上は敵陣の中で大暴れしてくれていたが、それでもやはり
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