番外編 〜最期〜
帽子
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魚雷に気がついた。かなりきわどいところで魚雷を避け、逆に私が魚雷を放つ。放った魚雷は敵駆逐艦の一体に直撃し、大破させた。
――砲撃も来てるわよ!
ありがとう雷。私はその砲撃を避け、今の砲撃の主と思われる軽巡洋艦に砲撃仕返した。私の砲撃は相手に着弾し、相手は中破。
いける。これなら押しきれるかもしれない。倒せなくてもいい。この場から逃げおおせて、無事に鎮守府に戻ることが出来ればそれでいい。私は全速力で小島の陰に逃げ、上陸して身を隠し、鎮守府に通信を送った。
「司令官?」
「おお。どうした暁」
「ごめんなさい。今敵と遭遇して、資材を手放してしまったわ。持って帰れないかもしれない」
「お前は大丈夫か?」
「暁は大丈夫。でも資材が……」
「そんなもんどうでもいい。敵の規模はどれぐらいだ?」
「駆逐と軽巡が合わせて4体。見えないところに戦艦が1体いるわ」
「分かった。ビス子たちを至急向かわせる。それまで耐えろ」
「わかったわ! なんせ暁は一人前のレディーだから」
「頼むぞ。信じてるからな一人前のレディー!!」
司令官への連絡も終わり、私は林の陰で三人の到着を静かに待つことにした。このままここに隠れ続けていれば、ビス子たち三人が到着するまでは持ちこたえられるはずだ。ひょっとすると、私を見失った敵艦隊も、諦めて撤収するかもしれない。
だが、私のそんな甘い目算は通用しなかった。
不意に、私の周囲に生える木々が燃え出した。空を見ると、夏の花火がすぐそばで爆発したかのように、土砂降りの雨のように火が降り注いでいた。
「三式弾?!」
しまった……相手に戦艦がいたことを忘れていた。相手は私が小島に逃げ込んだことを見破り、その小島を三式弾で火炙りにする作戦に出たようだ。
――逃げて暁!
雷の助言に従って、私は即座に小島から離れて海に出る。
――まだ観測機は飛んでるのです 気をつけるのです
電の言った通り、上空ではまだ観測機が円を描いてこちらを観測している。思いっきり蛇行しながら小島を離れる。相手の偏差がズレ、私は寸前のところで相手の砲撃をかわしていった。
いける。これならいける。妹たち三人が私を支えてくれている。これなら逃げられる。あとはうまく砲撃を避け続ければ……
――暁!!
「え?」
響の叫び声が聞こえ、私は足元を見た。私の足に吸い込まれるように、魚雷が向かってきていた。
「魚雷?!」
私の主機に魚雷が命中し、主機が機能を停止した。私は爆発の勢いで海面をバウンドして転げまわってしまい、響の帽子を汚してしまった。
――足を止めないで暁!!
雷の悲鳴のような警告と、私の艤装が爆発したのは同時だった。敵戦艦の観測射撃が私
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