第二十三話 アントワッペン市街戦・後編
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恐怖の対象でしかなかった。
(貴族が援軍に? 本当に来るのか?)
市民達は困惑しながらも援軍を待つことにした。
話は戻り、敵ゴーレムはド・ブラン夫人のゴーレムにガッチリと組み付かれた状態で動けない。
「お前ら! 根性入れろ! 行くぞぉぉぉぉ!」
『おお〜っ!』
工兵組の監督役が檄を飛ばし、多くの火薬樽を持った市民達もそれに続いて、2体のゴーレムの側までに近づくと火薬樽の設置を開始した。
それを阻止しようと他の傭兵達が攻撃を開始、傭兵は数こそ少ないものの下手に火魔法を使われて火薬樽に誘爆されたら作戦は失敗だ。
市民達は物陰に隠れながらもマスケット銃で応戦を開始し、傭兵との間で最後の戦闘が始まった。
「撃て撃て!」
「弾持ってこい、弾!」
そんな中、悲鳴と怒号と銃声が飛び交う戦場に颯爽と現れた集団があった。
「よし、みんな市民を救うんだ!」
ミシェル達、貴族がようやく到着したのだ。
「本当だ! 本当に来た!」
「うおおおお! トリステイン万歳!」
喜びを爆発させた市民達。
一方、貴族らはそれぞれ魔法を放ち傭兵らを追い詰める。
12歳と幼少ながらも実質、貴族達を説得し、救援部隊の隊長として振舞った、ミシェルもドットスペルながらも奮戦した。
元メイジ殺しのセバスチャンは2丁のピストルを2丁拳銃のように馬上で放ち、二人の傭兵の頭を打ち抜く離れ業を披露した。
……そして。
「設置完了だ! みんな離れろ!」
火薬の設置を終えた工兵組がワラワラと離れ、ド・ブラン夫人を始め多くの市民が物陰に隠れた。
「あれ? どうしたんだ?」
事情を知らないミシェルたちは取り残され、キョトンとした顔をしている。
「貴族様! こっちこっち!」
何人かの市民が物陰から飛び出し、ミシェルらの馬を引いて退避を促した。
「何があったんだ?」
「貴族様、それよりも今は耳を塞いでいた方がいいでしょう」
「……!? こうか?」
ミシェルが両耳を左右の手で塞ぐと同時に、大量に積まれた火薬樽は大爆発を起こしド・ブラン夫人のゴーレム諸共、敵ゴーレムを吹き飛ばした。
キノコ雲が漆黒の空へと舞い上がる。
「……私たち何しに来たんだろう」
ミシェルがポカンと口を開けていた後、ほどなく傭兵達は降伏した。
……
……そして戦闘後。
路上には死亡した市民や傭兵達の遺体が並べられ、傷の手当のために降伏した傭兵の中からも水メイジを動員して治療に当たらせていた。
ラザールは貴族達と供にド・フランドール伯の屋敷へ再突入するための編成を作戦立案に追われていた。
とある路地裏では。
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