第二十三話 アントワッペン市街戦・後編
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☆ ☆ ☆
一方、ミシェルやド・ブラン夫人の一団は市民達の救援のために馬を走らせていた。
「大変な事になっているみたいね」
「あのゴーレム……私達の力を結集すれば倒すことが出来るんでしょうか?」
ミシェルが目を向けた先には、燃え盛る多くの家屋を背に暴れ回るゴーレムの姿だった。
「ゴーレムのことについては私に任せて、ミス・ネルは他のみんなと協力して市民達の救援を」
ド・ブラン夫人はミシェルに言い聞かせ後ろを振り返ると、セバスチャンの他におよそ10騎のメイジが付き従っていた。
時代が変わりつつある……
今まで民衆の為、平民の為にと命を賭けようとする貴族は皆無だった。
マクシミリアンの登場とその行動で、貴族の中に新たな価値観が生まれ始めた。
ド・ブラン夫人は、時代の変革に立ち会うことが出来た感動に、思わず目を潤ませた。
「さぁ! 行くわよ…」
ド・ブラン夫人はルーンを唱え杖を振るうと巨大なゴーレムが現れた。
「おお!」
「これなら!」
「さ、みんな、あのゴーレムは私に任せて!」
ド・ブラン夫人はレビテーションを唱えて巨大ゴーレムの頭頂部に飛び乗った。
「ミス・ネル! 後は任せたわよ!」
「はい、みんな行こう!」
『おおーっ!』
ミシェルたちはゴーレムに踏まれないように馬を駆り市民達の救援へと向かった。
「行ったわね、さぁ! あのゴーレムをやっつけるのよ!」
地響きを立ててド・ブラン夫人のゴーレムは敵のゴーレムに襲い掛かった!
ド・ブラン夫人のゴーレムは、敵ゴーレムに右のストレートを繰り出した。
敵ゴーレムは、まともに食らいバランスを崩して瓦礫後に尻餅をついた。
ド・ブラン夫人のゴーレムはそのまま組み付いた。
「うわぁ!」
「危ないぞ!」
舞い散る砂埃や土砂に辺りの多くの市民達は巻き込まれそうになったが難を逃れた。
組み付いた状態で敵ゴーレムを何度も殴ったがすぐに再生して決定打を与えられない。
「奥様! そのまま取り押さえておいて下さい!」
ラザールが家屋の隅から現れて手を振ると、大きめの樽を抱えた市民達がワラワラを現れ組み付いた2体のゴーレムへと殺到した。
「分かったわ、ラザール! それと、私達の援軍に貴族のみんなが来てくれるわ! だからそれまで持たせて!」
「貴族が!? 援軍に!?」
「そうよ! 貴族が平民のために来てくれるのよ!」
ザワ……と、その場の空気が変わった。
「本当か?」
「貴族が俺達のために?」
市民も困惑気味だ。
無理も無い、今までの貴族は平民にとって
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