第二十三話 アントワッペン市街戦・後編
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ワーヌ」
『僕らを売り込みにいこうか』
そう言ってジェミニ兄弟は屋敷の方向へ足を進めた。
☆ ☆ ☆
広場から去ったラザールたちは、ヘルヴェティア傭兵の追撃を今か今かと手ぐすね引いて待っていた。
「……さて、来てくれるかな?」
ラザールは一人、明かりの無い部屋の中でつぶやいた。
「ミスタ、物見からの報告で、傭兵連中が来たそうです。陣形も崩しているようです」
「うん、それでは手はず通りに」
「はい」
男は去っていき、再びラザール一人になった。
「上手くいってくれれば良いが……」
ゆっくりと歩き窓を開けた。
すると、暗い空の下、何処かの路地裏で閃光が走った。
「始まった!」
ラザールは窓を閉め足早に部屋を出て行った。
☆ ☆ ☆
閃光が走り、数名のメイジが爆風で、壁に叩きつけられ動かなくなった。
「何があった!」
「分かりません、いきなり爆発して……」
ジェミニ兄弟をクビにして市街地に突入したヘルヴェティア傭兵は、当初は何の抵抗も無く前進し続けた。
しかし、迷路の様な市街地に気付かないうちに、兵力を分散していった。
そして、先ほどの爆発でヘルヴェティア傭兵たちは悟った。
『自分達は罠にはまったのだ』
だが、今更悔いても遅い。
ヘルヴェティア傭兵は暗闇とトラップとゲリラ戦術の地獄の釜に放り込まれた。
……一方、別の場所では。
「誰かライトだ、ライトを使え、こう暗くちゃ何も分からん」
「了解だ」
一人の傭兵がライトのルーンを唱えると、パッと、路地裏が明るくなった。
だが、『それを待っていた』と、言わんばかりに、積まれた樽の影や塀の上や屋根の上などから銃撃やレンガ、家財道具が傭兵達へと降りそそいだ。
「エア・シールド!」
「アース・ウォール!」
傭兵達は魔法で防御してしのいだ。
「退け!」
市民達はすかさず逃走した。
「逃がすな!」
「追え!」
傭兵達も逃げる市民を追撃した。
しかし、積まれた樽を通り過ぎようとすると、樽は大爆発を起こした!
「ぎゃああああ!」
「退けっ、罠だ!」
数人は爆発に巻き込まれたり、別の数人は爆発で崩れた家屋の下敷きになった。
こういった事は、路地裏のいたる所で起こった。
ラザールの作った特製火薬にド・ブラン夫人がディテクトマジックを付加する事で完成した
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