第二十一話 反撃の炎
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事はない特殊な煙幕だ。
煙幕のせいで、混乱したヤクザ者達は四方に発砲し、同士討ちを始めてしまった。
「撃つな! 止めろ!」
ジャコブが怒声を発し同士討ちを止めている内に、荷馬車は悠々と去っていった。
そして、煙幕を発生させる液体も全て無くなった事で、ようやく煙幕も晴れた。
だが、攻撃の手は止まる事はない。
「あれは!?」
一人のヤクザ者が空を指差すと、そこには100を下らない大量の発光体が甲高い音を立てて屋敷目掛けて降り注ごうとしていた。
「ファ、ファイアー・ボールの一斉発射!? トリステインの援軍が到着したのか?」
ジャコブは思わずつぶやく。
「くっ! 戦闘準備だ! 傭兵の連中を呼んで来い!」
指示を飛ばし、物陰に隠れると、空から降り注ぐ発光体がついに着弾、小爆発を起こし屋敷の一部を燃やし始めた。
「ファイアー・ボールではない!?」
ファイアー・ボールと思われた発光体の着弾点へと足を進めると、火薬の臭いが漂い、何かの燃えカスが散らばっていた。
これこそ、かつてラザールが見た物を見よう見まねで再現した、ハルケギニア版多弾装ロケット砲だ。
しかし、肝心の威力はというと、オモチャのロケット花火を少々強力にした程度に過ぎない。
「また来るぞ!」
その言葉で、ハッとなったジャコブは再び物陰に避難すると、所々で爆発炎上し何人かのヤクザ者も巻き込まれていた。
「これじゃ、どうする事もできないぞ」
そう言って、屋敷を見るをジャコブに、ハッと気付かせるものがあった。
「屋敷のほうには火の手は少ない、もしやこのファイアー・ボールもどきは囮で本命は王子奪還か!?」
そう、答えを得るや否や、ジャコブは屋敷内へと駆け出した。
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