第二十一話 反撃の炎
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さい!」
フランシーヌもひょっこりと顔を出した。
「本当にいいの? 場合によっては貴女の屋敷もただでは済まないでしょ?」
「それに兄君の事も……」
「心配無用です。こうなってしまってはド・フランドールの家を失う事も覚悟の上です」
「……分かりました。ミス・フランドールは潜入部隊として密偵団と同行していただきます」
一同は頷きあった。
☆ ☆ ☆
ド・フランドール伯の屋敷では、人質の貴族達が馬車に乗せられていた。
「痛い痛い、もう少し優しく乗せてくれたまえ」
痛がる貴族を無理やり馬車に乗せた。
「それで最後だな」
「なぁ? 本当に開放していいのか?」
「心配ねぇよ、王子を捕まえれば他の連中は用済みだって、お上の連中が行ってたしな!」
「用済みって、まさか! 私達を殺すつもり!?」
「なんて奴だ! 殿下との約束を破るのか!」
ヤクザ者の話を聞いていた、貴族達が騒ぎ始めた!
反抗しようにも、貴族達は手足を縛られ荷馬車の荷台に放り込まれた状態なため、それもできない。
「だが、王子との約束もあるからな、生きて帰れるかはお前達の運次第だ。おい、やれ!」
「ハハッ」
解放の指揮を取っていたジャコブが指示を出すと、ヤクザ者らが大量の麦わらを馬車に積まれた貴族達の上に積み始めた。
「これはいったい何の真似だ!」
「ただ、殺した後、解放するのでは芸が無いからな、麦わらに火を放って燃やした状態でお前達を解放すれば、きっと、賑やかな事になるだろう」
貴族達の顔から血の気が失せた。
「なんて奴だ!」
「馬鹿め! 人質をすんなり解放するものか!」
ジャコブは杖を手に取ると、同時に市内の方向から一発のファイアー・ボールが闇夜へと昇っていった。
「何だ!?」
「わ、分かりません!」
この一瞬の隙を突いて、何者かが茂みから小瓶のようなものを放り投げた。
放たれた小瓶が石畳で割れると中に入っていた液体が大量の煙幕を発生させた。
「何だと!?」
ジャコブたちが煙幕に戸惑っている隙に、何者かは荷馬車の御者台へ飛び乗るとすぐさま発進させた!
「そう易々と逃がすか!」
ジャコブは杖を振るい『ウィンド』を唱え、煙幕を払おうとしたが、どういう訳かウィンドに吹かれても煙幕は掻き消される様な事にはならなかった。
「何なんだ!? この煙は!」
謎の人物、言わずもがな密偵団員が投じた小瓶は、マクシミリアンが開発した煙幕の秘薬で、よほど強力な風でないと掻き消えるような
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