第二十一話 反撃の炎
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?」
「ラザールは『あんな物じゃなかった』って、言ってたけど、私としちゃ十分凄いと思うわよ」
「どういう物なのでしょう?」
「そこ答えは屋敷に仕掛ける時まで取っといて。それよりも……」
ド・ブラン夫人はフランシーヌの全身を嘗め回すように見た。
「なな、何か?」
「貴女、スタイル良いわね。どう? 今度、私の新作のモデルになる気はない?」
と、フランシーヌをスカウトしだした!
「モデルッ!? ……モデルって何ですか?」
「フフン、モデルっていうのはね、衣服や装飾品を身に付けて人前に出て、着ている衣服や装飾品を買って貰えるように世間に売り込む為の職業よ。で、どう? やってみる気ある?」
ド・ブラン夫人は鼻息荒くフランシーヌに詰め寄った。
「え、でも私、人前に出るのはちょっと……それに私、身体が大きすぎてサイズに合うのが有るかどうか……」
と、コンプレックスを刺激され消極的に拒絶するが、ド・ブラン夫人は何処吹く風だ。
「……君は実にバカだな。身体が大きいってことは恥じるような事じゃないのよ?」
「14歳で180サント越えなんて……」
フランシーヌはこのやり取りをしながらマクシミリアンに励まされた事を思い出していた。
(マクシミリアン殿下も同じように励ましていただいたけど……)
再びド・ブラン夫人にも励まされた事で、わずかだが自信に繋がった。
「関係ないわよ。綺麗なのは正義なんだから」
「あの……ちょっと考えさせて下さい」
「そう、分かったわ。私はピッタリだと思っているし自信も付くから、良い返事を期待してるわね」
「はい」
などと一人足りないが二人が姦しく喋っている一方、御者台ではメイド姿のクーペとラザールが乗っていて、手綱はクーペが持っていた。
「ああいう事、言ってますが本当の事なんですかね?」
「少々、誇張がありますが概ね奥様の言う通りです」
車内の会話はまる聞こえだった。
「でも、面白い話ですね。馬を使わず進む馬車に火を噴いて飛ぶ柱でですか……ふむ」
「こんな与太話を信じておいでですか?」
「夢や与太話で済ますには、あの鉄張りの馬車は大掛かり過ぎる。で、実際どういう状況だったんですか? 是非、聞かせて欲しいですね」
「先ほどの奥様の話と大して変わりませんよ。子供の頃、故郷の村でオーク鬼が群れで出たって話で……」
ラザールは、例の謎の馬車の事について話し始めた。
ラザールが子供の頃、故郷のカルノ村の森でオーク鬼が多数目撃されたと噂になった事で、オーク鬼を恐れて森へキノコや木の実といった食料を採りに行けなくなり、村全体が困窮するようになってしまった。
ラザー
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