機動戦艦ナデシコ
1273話
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言えた義理じゃない言葉だが。
『そんなに……そんなにあのテンカワって男がいいのか』
『え? ジュン君? どうしたの?』
『ユリカ、僕は例え君に恨まれてもナデシコを止めるよ。さっきも言ったけど、ナデシコとミロンガ改はどうしても今の連合軍には必要なんだ。それをみすみす火星に向かって行かせる訳にはいかない』
『ジュン君! 何で分かってくれないの!?』
『……皆、攻撃開始だ』
その言葉と共に、デルフィニウム部隊は一斉にミサイルを発射してくる。
『アクセルさん』
「分かってる」
通信で艦長に促され、即座にジャマーを発動。
ナデシコへと向かってきたミサイルの殆どは、あらぬ方向へと逸れていく。
……そう、殆どは、だ。
幾ら技術班の手が入っているミロンガ改であっても、ジャマーの及ぶ範囲は基本的にミロンガ改の周辺。
これは当然だろう。もしその効果範囲が極端に広くなってしまえば、下手をすると味方のミサイル攻撃にもジャマーの効果が発揮する可能性があるのだから。
その辺を考えると、可能であってもジャマーの効果範囲はミロンガ改の周辺だけにしておくべきであり、つまりナデシコ全体をジャマーの効果範囲に入れるのは無理だという事になる。
そうなると、ジャマーの効果範囲外にあるミサイルは手動で何とかするしかない訳だ。
……まさかデルフィニウム部隊がこんなに出てくるとは思わなかっただけに、さすがにこれは予想外。
『アクセル、一気にデルフィニウム部隊から距離を取るから、そのつもりでいてね!』
ハルカからの言葉に頷きを返す。
ちっ、こんな事ならディストーションフィールドの外に出ていれば良かったな。
もっとも、そうなってしまえばジャマーの効果範囲が偏っていた以上、今更言ってもしょうがないが。
それでもナデシコへと向かって放たれるミサイルは、かなりの数がジャマーによって無効化されている。
そして徐々にナデシコの速度は上がり始め、デルフィニウム部隊を引き連れたまま第3防衛ラインを突破していく。
デルフィニウム部隊を振り切れる程の加速は出せないが、それでも一旦距離を取ったおかげでミサイル攻撃は後方からのみとなる。
どこか一方向からの攻撃となれば、俺にとっても防ぐのはやりやすい。
そうして距離を取りながら上へ、上へと向かい……その際にも後ろから連続して放たれるミサイルは俺がナデシコの後部へと移動してジャマーを使い、逸らしていく。
一方向からだけの攻撃だけに今は何とかなっているが、このままだとやばいな。
このままデルフィニウム部隊を引き連れて戦闘衛星へと向かえば、前後からミサイルで攻撃される可能性が高い。
だとすれば、それを避ける為には……デルフィニウム部隊を何とかするしかない、か。
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