TURN33
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グに恨みがあるの。自分達が逮捕される切っ掛けになった『アサママル号事件』……そこで会ったスカーレット姉さんに」
「スカーレットとキングコアが会っていた?」
流石に東郷長官も知らんわな。
「キングコア本人がそう言っていた。あいつは姉さんに娘がいることも知っていた。今ではあんたの存在も……トーゴー」
「トーゴーッ!! 直ぐにバージニアを追うぞッ!!」
「……まさか第二次宇宙大戦の因果の糸は身近なところに絡みついていたとはな……」
東郷長官はそう呟いた。
「狹霧、本土決戦用のプランがあったな。皆に配布してくれ」
「え? いいんすか? 日本の詳細な星域図は機密事項ですよ」
「構わん。バージニアの推定速度は此方の半分以下だろう。先回りして日本星域で防衛線を構築する。それと宇垣長官に連絡を……」
『帝よ』
そう呼んだのはアドルフ総統だった。
『帝よ……聞いておられるのだろう。ドクツと日本……同盟国の元首として貴女と直接話がしたい。ぶしつけだが宇宙災害とそのコントロールに関して銀河最高の権威は貴女なのだ』
アドルフ総統は帝にそう語りかけた。
『一歩踏み出す勇気を、皆に与えるにはリーダーが必要だ。それは今回に限って私ではない。失礼ながらエイリス女王陛下でもなく大統領閣下でもない』
アドルフ総統がそう言った時、帝が現れた。
『私は東郷を信じていますよ』
会議室に現れた帝はそう言って東郷長官を見つめた。
「俺も異存はない。敵として戦い、トーゴーの実力は認めている。今の俺は総司令長官には相応しくないからな」
「東洋艦隊提督ヴィクトリー・ネルソンはわたしの盟友でした。彼を凌駕した閣下の采配に疑いはありません」
『我がドクツもトーゴーの采配に期待しよう。マンシュタイン、ロンメル。彼の指揮下に入れ。どうか使ってやってほしい』
四か国は東郷長官を総司令長官とすることに改めて同意した。
「これで正式に連合艦隊司令長官……GF司令長官ですね」
俺は東郷長官にそう言った。
「参りましたね。俺より狹霧の方がいいですがね」
「そこで俺に振るんすか?」
『真希ちゃんと暮らす事が貴方の夢なのでしょう? であれば未来のために戦いましょう。そしたらうんと子ども達に自慢出来ますよ』
「帝の御為に……」
帝の言葉に東郷長官はそう言った。
「この場にデーニッツ提督がいないことが残念ですアドルフ閣下。あの方は日本人よりも深く、日本を識ってくれました」
『あれは忠誠心の塊だ。ファンシズムの申し子だよ。私の許可なく戦列を離れる事はない。あってはならない』
『我が子らよ』
そして最後の人物が会議室に現れた……て
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