宇宙編
月決戦編
第28話 出撃2
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ナナとアイラが月面外周で交戦を始める少し前。
グワンバン級ーー
「ここにいたのか」
パイロット用の休憩室。出撃前とあって人気も少ない。
「隊長…」
前よりはマシ、しかし明らかに光を失った声が耳を舐める。
「メアリー、出撃命令が出た。大丈夫か?」
「ええ、なんとか。しかし私の機体は…?」
「その点だが…MSデッキに行けばわかる 。ついて来い」
MSデッキーー
「終わりましたか?」
「ああ、おまえのバウにありったけ詰め込んでやったぜ。この艦にあった余剰パーツ」
両脚部、背部バインダー、腰部アーマーにそれぞれマイクロミサイルを装備し、機体各所に増加装甲を装備したそのフォルムは、さながら合戦前の武将のような重厚さがあった。
「あれがメアリーの機体だ」
バウの隣に目を移すと、旧ジオン公国より続く伝統のモノアイカメラ、グリーンの塗装は見る者に公国軍MS-06、ザクを彷彿とさせる。
「RMS-106C、ハイザックC。グリプス戦役…UC86年代の型落ちだが、今出せる機体はこいつだけだった」
長銃身のビームライフルを装備している点、機体の性能を考えて恐らく狙撃用の機体だろう。
確かにニュータイプで射撃精度の高いメアリーとは相性がいい機体だ。
「第一部隊がもうすぐ発艦する。もうお前らの機体も整備は終わってるから、休んでなよ」
「えぇ、ありがとうございます」
ブリーフィングルームに戻り、出撃の時を待つ。
戦闘配置のアラームが鳴り響くブリッジでは、砲術長、センサー長、艦長副長らが忙しなく声を交わしている。
「ミノフスキー粒子、散布。敵の機影確認できず」
「砲門開け!偵察隊を直掩に戻し、第一部隊を発艦させろ!10分後に砲撃、及び第二隊を発揮させろ」
副長が復唱し、センサー長が怒号を飛ばす。
「6時センサー反応あり、戦艦と思われます!」
「こんな時に…敵戦艦だと??」
たった今MS隊を出撃させたところでの敵襲とは。
ブリッジに戦慄が走る。
「いや、レーザー通信探知!照合…これは味方です!」
「味方だと??」
紅い船体より一回り小さい、深緑のムサカ級が横に並ぶ。
「こちらネオジオン独立機動艦隊所属、第一番隊隊長イリア・パゾム中佐だ、応答願う。貴公らの援軍に来た」
戦場に新たなニュータイプが参戦し、赤黒い宇宙は熾烈を極める。
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