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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第223話 エクスキャリバー
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GGO屈指のガンナーの2人だからこそ、並大抵の度胸ではないと言う事だろうか。
「ん――…… 今までは、到達不能地点だったから、落ちたら、問答無用の
死
(
ゲームオーバー
)
。――だが、今はイベント中だ。ウルズの言葉もあるから、或いはマップ更新されて、ニブルヘイムに通じてる可能性も捨てきれないな」
「んー……、寒くないと良いけどなぁ……。見えたりしない? リュウキの《眼》で」
「……無茶言うな。それに、霜巨人達の故郷だぞ? 寒くない訳が無いだろ」
悠長な会話を続ける2人。ネコ科動物に扮しているからか、シノンは寒さにはあまり強くない様だ。――2人のやり取りは、絶賛落下中だと言うのに、まるで、午後のお茶を楽しんでいる間の様。
「うぅ〜〜、りゅ、りゅーきくーーんっ……」
「ん? どうした」
「こ、怖くないのー……っ?」
「高い所が苦手、と言う訳じゃないからな。それに まだ、助かる道があるかもしれない」
ふるふる、と身体を震わせながら、リュウキを呼ぶのは麗しき歌姫のレイナだ。
こう言う時は、彼氏がしっかりと恋人を抱きとめて、安心させてあげるのがセオリーじゃ……、と 頭の中でレイナは想っているのに、悠長に攻略熱心、『こーりゃくと、わたし、どっちが大事なのーーっ』と言ってしまいそうだ。……更にはシノンと楽しそうに話している姿を見て、ヤキモチを妬いてしまったのも仕方がない。
「……ほーら、レイナを安心させてあげなさい」
「ん? ああ、成る程……そうだな」
そんな姿を見て、シノンは リュウキの背中を軽く叩いた。
今日は、沢山色々と貰ったから、ある程度は十分。……と言う事で シノンが助け舟を出した様だ。……勿論、レイナが可愛いから、自分も守ってあげたくなるから、と言う理由も勿論ある。だけど、その役目は自分ではなく、目の前の彼の仕事だ。
リュウキも シノンに言われて漸く気づいた様で、落下して、身体全体に掛かるGの影響で動きにくくなっているが、それでも早くにレイナの傍へと寄った。
「――大丈夫だ。なんとかなるよ」
「……う、うんっ!」
レイナは、にこりと笑いかけてくれるリュウキの手をそっと取って、恥ずかしそうにしていたが、嬉しそうに微笑んでいた。
そんな光景を目の当たりにしていたアスナは、キリトを横目で見ると。
「……キリトくんはー?」
「ぅえっ!?」
「お兄さん達、仲睦まじくて、嬉しいですっ! パパ。お兄さんを見習ってくださいよ?」
「りょ、了解であります……」
最愛の妻と娘にそう言われ、息子に教えられた。それを無下にする様な事はキリトには出来る筈もなく……、両手で 『絶対離さん!』と言わんばかりに抱いていたエクスキャリバーは……、こればかりは仕方ない、と言う
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