35.若い内の苦労は買ってでもしろ。でも買う金がありません。
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<ラインハット城>
ヘンリーSIDE
「兄さん!」
デールが騒がしく俺を呼ぶ。
珍しいな…あいつは冷静な方なんだが…
「どうしたんだ、デール?」
「お客さんが…リュカさんがお見えになりました!」
ほう、良い所へ来たもんだ。
「やあ、ヘンリー。まだマリアさんは愛想を尽かしてない?」
相変わらずだな…
「あのなぁ…まったく…お前こそどうなんだ?ピエール達に嫌われたん…じゃ?」
あれ?
リュカ一人だ!?
「おい!ピエール達はどうした!?本当に…」
あ、あり得るからなぁ…
「そんな訳ないだろ。他のみんなはサラボナで人質になっている」
「人質!?どういう事だ!」
「うーん…僕が逃げ出さない様に…かな?」
何なんだ!?いったい…
「これ…読めば分かるから」
俺はリュカに渡された書状に目を通す。
「お前、結婚すんのか!?」
・
・
・
式まで時間が無い為に新郎自ら参列者を迎えに来ているそうだ。
どんな式だよ…
皆に声をかけ参列を確認すると…
俺、マリア、ヨシュアさん、マリソル、デルコ、この5人が参列する事に決まった。
マリソルなんかは泣きながら「私がリュカさんと結婚したかったのに…」と、リュカを困り顔にさせる。
珍しいな、普段のリュカなら『僕もマリソルと結婚しちゃうぅ』とかふざけた事、言うのに…
後で聞いてみるか。
「リュカさん、このままサラボナへ行くのですか?」
「いえ、マリアさん。次は海辺の修道院へ行きます」
なるほど…各所を回ってサラボナへ…か!
ヘンリーSIDE END
<海辺の修道院>
マリアSIDE
ここへ戻ってくるのは随分と久しぶり。
お世話になったのに、そんな事ではいけませんわね。
リュカさんが修道長様とお話をしている。
「まぁ、おめでとうございます。リュカもとうとうご結婚されるのですね」
「はい。つきましては、お世話になったシスター方にご参列頂こうと思いまして、お迎えに上がりました」
「シスター・アンジェラ。貴女がご出席してあげなさい」
「修道長様は?」
「私はここでリュカの為に祈りを捧げたいと思います。リュカ、シスター・アンジェラを連れて行って頂いてもよろしいですか?」
「はい」
リュカさんはとても嬉しそうだ。
「では支度をして参ります。少々お待ち下さい」
そう言うとシスター・アンジェラは奥へ下がっていった。
「アンジェラさーん!荷物はそんなに必要ないですから。殆どサラボナでルドマンさんが用意してくれます。着替えを1.2枚で大丈夫ですよ。何なら裸でもいいし…いや、むしろ裸の方が…」
(ゲシ!)
「お前は…結婚すんだろ!」
「関係ないだろ!結婚したって、嫁がいたって、女の裸は見たいだろ!」
リュカさんとヘンリーさんは
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