アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十四話 おれの名は―――
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のない声が突然響いてきたため臨戦態勢になって周りの気配を探るシリウスとベガ。そんな二人をよそにソレイユは空を見上げた。
その時、空に変化が訪れた。
“また、別のしるしが空に現れた”
その声の意味を再現するかのように空に謎の光の球体らしきものが現れた。
“見よ、火のように大きな赤い竜である”
その球体は徐々に竜の形に変化していく。
“七つの頭と十本の角があり、その頭には”
竜らしきものの体から七つの頭が生え、そこから角が十本のびていく。
“七つの冠をかぶっていた”
そして、仕上げと言わんばかりに七つの頭に冠が出現する。
扉のレリーフに描かれていた絵と同じ姿の赤い竜は空に出現したと同時に七つある口からとんでもない音量の咆哮をあげた。もはや、声とは言えず一種の衝撃波だった。必死に踏ん張るソレイユとベガとシリウス。そんな三人のもとへ赤い竜が下りてきた。塔を揺らしながら着地する。空にいるときはわからなかったが、全長は百メートルほどあった。着地した竜は七つの頭にある十四の瞳でソレイユたちのことを見据える。並みのプレイヤーならば、それだけで萎縮してしまい戦うこともままならない。そんな威圧感を与えていた。
萎縮することはなかったシリウスとベガだが感じたことのない威圧感に襲われていた。目の前の竜にシリウスがカーソルを合わせてみるとそこには竜の名が示されていた。
≪The Apocalypse≫
アポカリプスと言う名の竜は威圧感を収めることなく未だに三人のことを見据えている。どうするか迷っているシリウスとベガ。そんな二人をよそにソレイユはアポカリプスに話しかけた。
「ずいぶんと久しぶりじゃないか、アポカリプス」
あの時の小僧か。大敗を決しておいて再び我の前に立ちはだかるとは、愚かなものだ
返答するアポカリプスに驚くシリウスとベガだが、思えば≪The Sky Blast≫や≪The Ground zero≫も独自に会話をしていたことを思い出す。おそらく自律思考型のAIだろうと勝手に結論づけ、ソレイユとアポカリプスのやり取りに目を向ける。
呆れたように言うアポカリプスだが、ソレイユは気にする様子もなく、かつて口にした言葉をアポカリプスに伝える。
「言ったはずだぞ。おれはもう一度お前の前に立ちはだかる、と。・・・なぁ、アポカリプス。おれの名は、覚えているか?」
ふん、弱き者の名など覚えているはずなかろう
ソレイユの問いに関してアポカリプスの返答はノーだった。それだけではなく、その返答の中には侮蔑ともいえる言葉が含まれていた。それに対してソレイユは憤慨することもなく、不敵に
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