アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十四話 おれの名は―――
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「これはヨハネの黙示録に描かれている赤い竜と獣だ。割と有名だと思うんだがな、黙示録の赤い竜は」
「すまん、全然知らん」
「右に同じ」
首を横に振るシリウスとベガ。そんな二人を見てソレイユは一つの疑問を投げかけてみた。
「説明した方がいいか?」
今度は首を縦に振って返答する二人。そんな返答を受けたソレイユは重厚な扉を見上げながらレリーフに描かれている絵について語り始めた。
「有名な『ヨハネの黙示録』。その中の十二章及び十三章に記されている竜なんだ。この竜と隣の獣が象徴するのはキリスト教を迫害するローマとローマ軍だ。「十本の角と七つの頭がある獣」は七つの丘や七人のローマ皇帝を指しているんだ。因みにいえば、七つの丘とはローマの七丘と呼ばれるあれだ。ローマ皇帝の話しはあとで自分で調べてくれ。説明がめんどくさい」
一度言葉を区切るソレイユ。一息つくと再び話し始める。
「黙示文学っていうのは実際に起きたことを示すのではなく、あくまで象徴としてカモフラージュして取り上げる文学のことを言うんだ。当時のキリスト教は迫害され、地下墳地で教会活動を行っていた。表だってローマ皇帝への批判などできるはずもなかった。豆知識として言っとけば、サタンとはローマやローマ皇帝のことを指しているんだ。黙示録とは・・・」
「ちょっと待って」
「ん?どうした?」
ソレイユが説明を続けようとしたとき、ベガが待ったをかけた。何事かといったようにソレイユはベガの方を振り向いた。
「そのサタンってどこから出てきたのよ?説明を聞いている限りじゃ出てきてないわよ?」
「・・・・・ああ、すまん。忘れてた」
少し考えた後、思い出したかのように言うソレイユにベガは溜息をつくと、説明するように促す。
「説明、してもらえるかしら」
「ああ、もちろん。なぜ、サタンと言われているのか。それは黙示録の赤い竜の英名が関係してある。この英名とは、Great red dragon that old serpent , called the Devil , and Satanっていうものなんだ。では、なぜそう呼ばれているのか。それはエデンの園の蛇の化身であり、サタンが竜になった姿であり、サタンの化身とも言われている姿だからだ。有名だろ?エデンの園で善悪を知る知識の木の実、それを蛇にそそのかされて食べてしまうイヴの話は。その時に、蛇の後ろには悪魔がいる、とされたんだ」
「「なるほど」」
「続けるぞ。黙示録とは読むべき人が読めば理解できるように記されている。代表的なものがゲマトリアで記された獣の数字である666。これの説明はめんどくさいから、また今度化自分で調べてくれ。
「七つの頭と十本の角を持つ赤い竜」と「十本の角と七つの
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