アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十四話 おれの名は―――
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くベガとソレイユ。それを聞いたシリウスは一度頷くと扉に向きなおり、押し開ける。扉をくぐり、中に入っていくとお約束のごとく背後で扉がゆっくりと閉じていく。
中を見渡すと、円状のフロアから壁に沿って螺旋階段が上に向かって続いている。吹き抜けている中央部分から上を見上げると、所々にある小窓から日差しが差しているのがわかるが、あまりにも高いのでどこまで続いているのかわからない。
「・・・・・これ、一体何段あるんだ?」
「数えてみれば?」
「・・・いや、遠慮しとく」
そんな馬鹿なやり取りをしながら三人は階段を登っていく。
◆
螺旋階段を上がっている途中にMobとエンカウントすることはなく、特に問題もなく進んでいた。
しかし、三人はぐたりした様子で階段を登っている。
「なぁ、あとどれくらいだ?」
「おれに聞くな。わかるわけないだろ」
「ベガは?」
「ソレイユに同意」
「・・・・・だよなぁ」
そんなやり取りをしている最中でも足は止めずに登っていくが、シリウスの雰囲気がさらに下がった。その気持ちはわからなくもないソレイユとベガだが、あからさまに雰囲気を下げられると精神的に来るものがある。そんな雰囲気をどうにかするためにソレイユはシリウスに向かって口を開いた。
「そんなに気になるんだったら、吹き抜けから上を見てみれば?」
ソレイユの言葉に頷き、吹き抜けた中央部分に身を乗り出して確認してみると、下からでは見えなかった螺旋階段の終わりがかすかにだが見えた。下を見てみると円状のフロアが点のように見える。
「だいたい三分の二まで登ってきたっぽいぜ・・・」
上と下を見比べて出した結論をソレイユとベガに伝える。それを聞いたソレイユは思わず気になっていたことを口から漏らした。
「・・・・・製作者の、意図は、なんだ?」
「「・・・さぁ?」」
◆
約一時間後、全体でおよそ二時間半もかけて登ってきた螺旋階段は終わりを告げ、登りきった場所は入り口があった場所と同じように円状のフロアとなっていた。壁は古く所々ぼろぼろになっている。そんな中、ひときわ濃いプレッシャーを放っている重厚な扉があった。その扉は十メートルほどあり、レリーフらしきものが描かれていた。それは七つの頭と十本の角を持つ竜が十本の角と七つの頭を持つ獣に鉄の杖らしきものを与えているものだった。
「何の絵だ、これ?」
「さぁ、私にはわからないわ。ソレイユは?」
「・・・・・・・・・・・ん、ああ。これのことか?」
シリウスの疑問にベガが首を横に振りながら答える。話を回されたソレイユは絵に描かれている赤い竜を鋭い視線で睨みつけていたが、ベガから話が回されると睨めつけるのをやめ絵の説明に入っていく。
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