暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
後編
9.店の名前は……
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クマッ!!」
「男がドレスなんて聞いたことねーよ! お前はどうすんだよッ?!」
「球磨は燕尾服を着るクマっ。キリッ」
「あ……」
「クマ?」
「すまん……カワイイと思ってしまった……」
「き、急にそういうこと言うのやめるクマっ……」
「お、お前こそ顔真っ赤にしてアホ毛をグニグニさせるのはやめろ……」

 恥ずかしそうに顔を真赤にしてくねくねとうごく球磨を無理矢理座らせ、アホ毛を切った。

――さくっ

 しかし、いつかのように後頭部からびよんと立ち上がるアホ毛を前に、俺は一時間後に迫った写真撮影に遅刻する覚悟を決めた。先に喫茶店に向かって準備してくれてる北上に連絡しておかなければ……

――ぷぷっ…… 末永くお幸せに

 なんだか懐かしい誰かの声が聞こえた気がして背後を振り返るが、誰もいない。でも俺が振り向いたその先には、なんとなく賑やかで懐かしい、あの頃の雰囲気が漂っていた。

「どうかしたクマ?」
「いや、誰かいたような気がして」
「ぷぷー。アホ毛すら成敗出来ないハルの不甲斐なさを誰かがあざ笑いに来てるんだクマ!!」
「黙れ妖怪アホ毛女!!」
「クマクマっ」

 終わり。

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