アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十三話 その想いを胸に
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ろうベッドに身を埋める。しかし、そんなことをしても心が満たされることはなかった。
◆
マイホームを出て転移門に向かって歩いているソレイユ。そのペースはゆっくりとしていた。それでも待ち合わせには間に合うくらいの余裕はある。しかし、今のソレイユにそんなことはどうでもよかった。ソレイユの心を占めるのは先ほどまでのルナのことであった。本人は隠しているつもりだろうが、ソレイユには分かった。解ってしまった。彼女が抱える寂しさや不安を。今すぐに身を返してそばにいたいと思う。心ではそう思っていても、頭がそうはさせてくれなかった。わかっている、わかってはいるのだ。しかしだからと言って、割り切れる思いでもなかった。
「末期だな・・・」
人知れず呟かれた自嘲気味であった。まさかここまでの気持ちを彼女に持つとはおもわなかった。ルナの存在はソレイユの心の中の大部分を占めてしまっている。それが悪いとは微塵も思わないが、だからこそルナを一人残してしまっているこの状況に悪態をつきたくなる。
「あ〜あっ、いっそのこと剣を捨てようかな〜」
呟いてから苦笑いをして頭を横に数度ふるい変な方向に流れた思考を中断する。捨てられるはずがないのだ。ソレイユにとって、それを捨てると言うことは誇りを捨てるということになってしまうのだから。そしたら、ソレイユがソレイユでなくなってしまう。
不意に空を見上げるがそこにあるのは無機質な石の天井だった。それでも、ソレイユは天井を見上げながらここにはいない彼女に向かって呟いた。
「はたして、このゲームの真実を知っても君は君のままでいてくれるだろうか?知っていながらその事を話さないおれを君は許してくれるだろうか?」
その疑問に答えるものはいなく、風に流され消えていった。
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