アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十三話 その想いを胸に
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「クエスト?また、依頼でも入ったの?」
「まぁ、そんなところだ」
ユイの出来事から五日後、キリトが知り合ったというニシダという釣り師と共に夕食を交え、その後、帰宅しくつろいでいるとき、ソレイユの口から出たのは少し長いクエストに出かけるということだった。
「どのくらいの期間なの?」
「ん〜、二、三日ってとこかな」
「それって、前に行ったレジェンド・クエストみたいなものなの?」
「まぁ、そんなものだよ」
ルナが言った前に行ったクエストとは、ユイが拾われる三日前に受けたクエストのことである。ソレイユと共に受けたこの前のレジェンド・クエストだったが、正直デスゲーム中はもうこりごりである。あれをいままで単身でクリアしていたソレイユはさすがというべきか、なんというべきか迷うところである。
「いつごろ出発するの?」
「今日の深夜頃だな。それまでは一緒にいられるよ」
「そっか」
ソレイユの言葉に微笑みながら抱きつくルナ。しかし、すぐにその表情は寂しげなものへと変わり、ソレイユの胸に顔を埋めながら口を開いた。
「でも、なるべく早く帰ってきてくれないと・・・私、寂しくて死んじゃうよ?」
ルナの言葉に面食らうソレイユだったが、苦笑いをしながら愛し気にルナの髪をとかしていく。
「わかった。なるべく早くかえってくるよ」
「・・・うん」
髪をとかされる気持ちよさに身を委ねていく。それを拒むこと無くソレイユは受け入れていく。
◆
深夜、ソレイユは目を醒ました。目を開けると、そこにはルナの安らかな寝顔があった。いつものように一緒に寝ているのでルナが隣で寝ていようとも気にならないのだが、先程までのことを思いだし、苦笑いが漏れる。
ルナを起こさないように静かにベッドから出て、何時もの装備を装備していくが、刀は装備しなかった。深みのある黒いコートを羽織ると静かに寝室を出ていこうとしたところで、寝ぼけた声が聞こえた。
「・・・それいゆ?」
声の主は先程までともに寝ていたルナであった。身を起こしながら、目をさする姿を見ているソレイユは苦笑いをしながら口を開いた。
「前は隠した方がいいぞ」
「ふぇ・・・・・っ!?わ、わわわ!!」
ソレイユの言葉を理解するやいなや顔を真っ赤にして、慌てて掛け布団を引き寄せ身を隠す。見ていたソレイユは忍び笑いをしていたので、それに気付いたルナは今度はむくれてしまう。
「むぅ〜〜」
「・・・・・」
むくれる姿さえ可愛いと感じてしまう。彼女のすべてが愛しく思う。最早末期といっていいだろう。だからなのだろう、ずっと一緒にいたいと思うが、それができないジレンマを踏んでしまう。むくれるルナの頬に手を伸ばし、優しく慈しむように、
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