アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十二話 悲しき別れと再会の予兆
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
それが、ユイの心だ。キリト君のナーヴァギアのローカルメモリに保存されるようになってるから」
ソレイユから受け取ったクリスタルを両手で包み込むと、再びとめどなく涙があふれさながら涙声で呟いた。
「ユイちゃん・・・そこに、いるんだね・・・。わたしの・・・ユイちゃん・・・」
アスナのつぶやきに答えるようにクリスタルは脈打った。
◆
二十二層 ソレイユの隠れ家
「なんか、久しぶりに戻ってきたっていうか、そんな感じがしちゃうな・・・・・」
「まぁ、濃い数日だったしな」
そんなことをベッドの中で話しているルナとソレイユ。あの後、教会でささやかなガーデンパーティーが催された。食材を調達したのは、もちろんというべきか、ソレイユだった。ほかのみんなが会場の準備をしているときにふらっと出て行き、帰ってきたときにはどこで手に入れたのかと言いたいほどの食材があり、パーティー参加者の度肝を抜いた。なかにはS級食材があったとか、なかったとか・・・。
そして、パーティーが終えた後、別れを惜しむサーシャやユリエール、シンカーや子供たちと別れ、さらにはキリトやアスナたちとも別れ今に至る。
「最前線に戻ろう、か?」
「え?」
難しい顔で考え事をしているルナにソレイユは愛しみに満ちた表情でルナの心内を言い当てた。そのことに驚くルナだったが、ソレイユはルナの頬を撫でながら
「お前の考えてることならある程度分かるよ・・・だって・・・」
その時、聞くものを恐怖させるも、どこか懐かしい唸り声が聞こえた気がした。ソレイユは勢いよく身を起こし、窓の外を鋭くにらみつけるが、そこには何もなく月の光が差し込んでいるだけである。幻聴かもしれないそれを聞いたソレイユは虚空を見上げると、誰にも聞こえないほどの声で呟いた。
「―――――――――」
それは隣で目をパチクリさせていたルナにさえ聞こえなかった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ