アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十二話 悲しき別れと再会の予兆
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≪オブジェクトイレイサー」≫を使えたのもあの石に触れたせいなんです。あの石は装飾用のオブジェクトではなく、GMが緊急にアクセスするためのコンソールだったんです」
ユイの言葉に驚きを見せるキリト、アスナ、ルナの三人。そんな三人に構わずユイは話を続ける。
「あの石に接触したことで、今まで放置されていたわたしにカーディナルが注目したはずです。今、コアシステムが走査して、すぐにわたしは異物という結論が出され消去されてしまいます。もう・・・あまい時間がありません・・・」
「そんな・・・そんなの・・・」
「なんとかならないのかよ!この場所から離れれば・・・」
「無理だろうよ。ソードアート・オンラインはカーディナルよって統制されている。このゲームの中にいる限り逃げ場がない」
「くそっ!!」
冷静に語るソレイユの言葉を受け、キリトは悪態をつく。ユイは微笑みながら涙を流している。そんなユイの体をかすかな光が包み始める。それを見てアスナ、ルナがユイを抱きしめ、キリトがユイの手を握っている。
「あなたたちのそばにいると、みんなが笑顔になれた・・・。わたし、それがとてもうれしかった。おねがいです・・・私の代わりに、みんなに笑顔を・・・喜びを分けてください・・・」
ユイの体が朝露のように儚い光の粒子となって消えていく。アスナとルナが涙を流し、キリトは何もできない無力な自分を嘆くかのような表情をしている。だが、ソレイユは特に何をするわけでもなく、平然とした様子で黒い石のオブジェクトに近寄り手をかざす。そうすると、コンソールらしきものが現れ、それを確認したソレイユは高速で叩いていく。そうしている間にも、ユイの体は透き通り、消えていく。最後に消える寸前の手がアスナとルナの頬を撫でた。その後、ひときわ眩い光となって完全に消滅した。泣き崩れるアスナとルナ。キリトは拳を強く握っていたが、何かしているソレイユの姿をあらためて認識した。
「なに、やってんだよ。ソレイユ・・・」
「ん?ああ。さっきも言った通り、このゲームがカーディナルによって統制されている限り、ユイに逃げ場はないわけだ。今、姿は消えたから、もうすぐ完全に消去されるだろうな」
「だから、なんだっていうんだよ!」
「つまり、だ。ここじゃないところに避難させればカーディナルによってユイが消される心配はないということになる」
「「「!?」」」
コンソールを叩きながら語るソレイユの行動の真意をつかんだキリト、アスナ、ルナ。それと同時にソレイユのもとに一つのクリスタルが実体化した。そのクリスタルの中央ではとくん、とくんと白い光が瞬いている。実体化したクリスタルを確認すると、アスナの方に向かって放り投げた。慌ててキャッチするアスナにソレイユが告げた。
「
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